国内ない材質 渡来品か 下仁田で出土 7000年前の縄文時代耳飾り
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渡来品である可能性が判明した縄文時代の装飾品「●状耳飾」
会見で研究成果を説明する町自然史館の中村由克館長

 1987~90年に群馬県下仁田町馬山の下鎌田遺跡から出土した約7000年前の装飾品「●状耳飾けつじょうみみかざり」について、下仁田町は9日、中国や朝鮮半島からの渡来品の可能性があると発表した。主成分をX線で解析し、日本国内にはない材質と判明した。縄文時代の渡来品が科学的に証明されるのは国内でも珍しいという。町は、縄文時代にアジア大陸と何らかの交流があった可能性を示す貴重な資料だとしている。

◎ネフライト製と判明 「外国産 初の可能性」
 耳飾りは乳白色で、直径約11.5ミリの半円形。1987~90年に同遺跡から出土し、同町下小坂の町歴史館に展示されている。昨年12月に台湾の中央研究院の飯塚義之研究技師が同館に来館し、蛍光X線分析をした結果、耳飾りがマグネシウムと鉄を含む「透閃石とうせんせき」を主成分とする鉱物「ネフライト」製と判明した。

 飯塚技師と共同で研究に携わった町自然史館の中村由克館長(明治大黒耀石研究センター・客員研究員)は、「『●状耳飾』は国内でこれまで出土した他の耳飾りに比べ、ネフライト中の鉄の含有量がとても少ない」と説明。こうした材質は東アジアに産地があり、中国や朝鮮半島から渡来してきた可能性があるとしている。

 その上で、中村氏は「国内でこれまで発掘された耳飾りのうち、外国産と判明したのは今回が初の可能性がある」と指摘。今後は福井県あわら市の桑野遺跡で発見された同様の耳飾りなど、他の遺跡の出土品の調査も進め、縄文時代の日本とアジアとの関連性を研究していく方針。

 群馬県立歴史博物館の右島和夫特別館長によると、土器や石器の製作技術の分析といった考古学研究から、7000年ほど前の日本に大陸との交流があった可能性は以前から指摘されていたという。「(今回は)自然科学的なアプローチで裏付けられたなら興味深い。今後の研究の展開に期待したい」と評価した。

 考古学のうち玉文化について50年以上研究する日本玉文化学会の藤田富士夫会長(敬和学園大客員研究員)は「日本列島での出土品に渡来品がある可能性があるとは思っていたが、今回の発表でその可能性が高まった。画期的な成果であり、興奮している」と話した。

 ※●は王へんに「決」のつくり。

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