安中で発見のマイルカ科化石 1130万年前で世界最古&新種と認定
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新種と認定された「ノリスディルフィス アンナカエンシス」の化石
「ノリスディルフィス アンナカエンシス」の復元想像図=(c)Tatsuya Shinmura(Ashoro Museum of Paleontology)

 群馬県安中市原市の約1130万年前の地層から見つかったクジラ・イルカ類のマイルカ科の化石2標本について、所蔵する県立自然史博物館(富岡市)は8日、世界最古で従来の分類に当てはまらない新種と認定されたと発表した。マイルカ科は現代のクジラ・イルカ類の中で最も繁栄している種類で、北海道新十津川町で発見された約900万年前の化石がこれまで最古だった。同館は「典型的なイルカの祖先が、より古くから生きていたと分かった」と研究の成果を強調する。

◎前上顎骨の太さの違いから新種と認定 11日から展示
 同館の長谷川善和名誉館長と木村敏之生物研究係長が調査し、米国の古脊椎動物学会発行の学術雑誌に論文が7日付で掲載された。

 標本は上顎と頭部に当たる頭蓋骨で、長さ約40センチ。体長は2メートル前後と推定される。「安中層群原市層」から見つかり、クジラ・イルカ類としては昨年の「ケントリオドン・ナカジマイ」に続く県内3例目の新種となる。

 現代のマイルカ科に比べ(1)鼻孔が前後に長い(2)前上顎骨が左側は細く右側が太い現生種に対し、今回の標本は左右ほぼ同じ太さ―であることが新種とする決め手となった。

 1000万年前まで群馬県一帯は海だったとされ、木村係長は「今回の化石を含め、碓氷川沿いからはイルカ・クジラ類の化石が多く見つかっていることから、相当数のイルカが生息していたと考えられる」と説明した。発見地にちなんで学名は「ノリスデルフィス アンナカエンシス」とした。

 数々の化石を同館に寄贈してきた中島一さん=安中市安中=が今回の化石も発見し、寄贈していた。木村係長は「今後もこうした収集家の方々と良い関係を築き、研究を深めていきたい」と感謝した。

 標本は11日から同館で展示する。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、見学は事前予約制とする。

 現代のマイルカ科にはバンドウイルカやシャチなどがいる。

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