萩原朔太郎賞にマーサ・ナカムラさん 詩集「雨をよぶ灯台」
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受賞作の「雨をよぶ灯台」
マーサ・ナカムラさん

 現代詩を対象にした文学賞「第28回萩原朔太郎賞」(前橋市、萩原朔太郎賞の会主催)の選考委員会が2日、群馬県の前橋文学館で開かれ、詩人のマーサ・ナカムラさん(29)=埼玉県出身=の詩集「雨をよぶ灯台」(思潮社)が選ばれた。マーサさんは「ただただ驚いている。諸先輩方から激励をいただいた気持ち」とのコメントを寄せた。

 詩集は、浅草寺で茶をたてる仏やサンタクロース、ちんどん屋などが登場する、独特な世界観の15編を収録。選考委員で詩人の建畠晢さんは「夢想と現実がクロスする不思議な感覚の詩。新しく出てきた才能を顕彰しようということになった」と講評した。

 選考委では、委員5人が候補5作品から最終的に2作品に絞り込んだ。議論の末、「自由自在に物語詩を書ける才能」(詩人の佐々木幹郎さん)、「朔太郎が『月に吠える』で震撼しんかんさせたのに近いくらいの、衝撃力をもって登場した詩人」(詩人の吉増剛造さん)などと高い評価を得て、受賞が決まった。

 マーサさんは早稲田大卒。大学で詩を始め、第54回現代詩手帖賞(2016年)、第23回中原中也賞(18年)を受賞。朔太郎賞の受賞について、マーサさんは「これからも、詩の道を自由に楽しみながら精進する」と喜んだ。

 受賞作は文芸誌「新潮」の11月号に掲載予定。賞の贈呈式は10月31日に同館で開く予定。

 朔太郎賞は同市出身の詩人、朔太郎の業績を顕彰しようと1993年に始まった。

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