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宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」からのカプセルの回収などを担った群馬県のIHIエアロスペース富岡事業所(富岡市藤木)の2人が22日、オンラインで上毛新聞の取材に応じた。
◎分解に5時間 重み「ずっしりと」
同社は地球への再突入の際にカプセル内が高温となるのを防ぐヒートシールドや、落下時にパラシュートを開く装置などを開発。富岡事業所から生まれた技術がミッション成功に貢献した。
2人は回収と分解、採取物が入るサンプルコンテナを取り出す作業を担当。6日、現地本部から落下地点まで約30分かけてヘリコプターで移動した。カプセルの着地を助けたパラシュートの状態から、想定通りの落下だったことを上空から確認し、臺さんは「りゅうぐうの砂が確実に日本に届けられる」と喜びをかみしめたという。
カプセルに最初に触れたのは臺さん。緊張感とともに約6~7キロのカプセルを持ち上げた際、「ずっしりと感じた」という。
カプセルの分解には緻密な動作が必要で、触れる場所や持ち方、動かし方など細かく計算し尽くされた作業は5時間に及ぶ。約2年前からミッションに加わり、練習を繰り返した笹木さんは「次の班に渡すのが精いっぱいだった」と緊張の時間を振り返った。
同社はJAXAが2024年度の打ち上げを目指す火星衛星探査計画でも一部装置に携わる。火星の地表物質を持ち帰るカプセル製造に今回の経験が生きるとし、笹木さんは「イメージがつかめた。次の仕事に反映したい」と意欲的だ。
2人は群馬県の子どもたちに期待する。臺さんは「富岡で最先端の宇宙開発をしている。身近に感じ、夢を持ってもらえたらうれしい」、笹木さんは「今回のミッションを機に興味を持った子と10年後、一緒に仕事ができることを楽しみにしている」と笑顔を見せた。
2人は14日夜に帰国した。現在は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う待機期間で、年明けに出社する。