令和の「豆腐百珍」に 魅力伝える1冊 前橋出身の工藤さん
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出版した書籍を手にする工藤さん

 豆腐を通じて食の価値を伝える「豆腐マイスター」として活躍する前橋市出身の工藤詩織さん(30)=東京都三鷹市=が、初の書籍「まいにち豆腐レシピ」を出版した。豆腐に関する豆知識や製造工程、江戸時代や世界での食べ方を紹介。身近な食材の魅力を再発見できる1冊となっている。

◎豆腐店減少知り活動開始 国内外の102品を紹介
 幼少期から豆中心の食生活を送っていた工藤さんは豆腐マイスター制度が創設された2013年に資格を取得。後継者不足などで豆腐店が年間約500店も減少している現状を知り、在籍していた立教大大学院を中退して活動を本格化させた。

 イベントやメディアへの出演、全国各地の豆腐店の取材、渋川市出身の消しゴム版画家、とみこはんさんとの雑貨ブランド展開など活動は多岐にわたる。最近では桐生市内の店舗の豆腐を使い、居酒屋チェーンのメニューをプロデュースした。

 豆腐は近年、低糖質・高タンパクの食材として人気が高いが、出版の企画を提案された際に「健康志向の料理本ではなく、豆腐の奥深さを伝える本を作りたい」と考えたという。

 書籍では、江戸中期に大阪で刊行され、当時のベストセラーとなった料理本「豆腐百珍」に登場する料理や、国内外の郷土料理など102のレシピを、料理家の牛尾理恵さんが再現。工藤さんは「豆腐が主役や脇役、黒子になる多様なレシピを取り入れ、無理なく楽しく食べられる構成にした」と語る。

 1世帯当たり(2人以上)の豆腐購入量を調べた総務省の家計調査によると、前橋市は昨年89.9丁となり、都道府県庁所在地別で9位だった。工藤さんは、群馬県の豆腐文化の特徴について「大きなメーカーが多く、木綿をよく食べる」と分析。「大豆だけで約400種類あり、製法もそれぞれ。好みや用途で豆腐を使い分けてほしい」と話している。

 書籍は池田書店刊。A5判、159ページ。1320円。

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