戦争の記憶 地域に活用へ 軍艦「高雄」元搭乗員の描いた絵画
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譲り受けた斎藤さんの日本画を前に「戦争の記憶を地域に残したい」と話す森さん

 群馬県伊勢崎市寿町の森章さん(73)は、同市八坂町の故斎藤豊三さん(享年87)の遺族で、長男の勝紀さん(70)=埼玉県鴻巣市=から、生前、豊三さんが描いた太平洋戦争時の軍艦「高雄」の日本画を譲り受けた。勝紀さんによると、豊三さんは志願兵として同軍艦に乗った経験があり、60代ごろにこの作品を描いたという。森さんは「当時の若者が経験した戦争の記憶として、地域に残して活用したい」と話している。

 豊三さんは生前、地元の日本画愛好会に所属し、積極的に活動していた。絵画には「雄姿をしのぶ」と書かれ、当時の国民歌謡「海行かば」などの歌詞が添えられている。

 着物のリサイクル業に従事する森さんは、20年ほど前、豊三さんと仕事を通じて知り合った。豊三さんの自宅で同軍艦の別の絵を見せてもらった思い出がある。偶然、勝紀さんから仕事の依頼があったことをきっかけに、絵を譲り受けた。

 絵画とともに、「海ゆかば 水漬くかばね」「山ゆかば 草むす屍」などの文章が戦争の現実を伝えている。

 生前、豊三さんは、絵を前に「戦争なんて二度としてはいけない」と繰り返し語り、涙を見せたこともあったという。勝紀さんは「多くの仲間の死を経験したと思う。戦争体験は晩年まで、父の心に残っていた」と話していた。

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