《ぐんま令和の群像》安中 文化・スポーツ 進取の気象が分野超え
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茂木洋晃
右上から竹下裕理、原優子、市川喜猿、佐野元哉、阿久津ゆりえ、桂ひな太郎

 安中市内には多くの旅人や文人墨客が往来してきた中山道があり、古くから市民は多様な文化を受け入れる土壌を築いてきた。進取の気性に富む「文教のまち」で学び育った人々は、音楽や演劇、伝統芸能などの分野で活躍している。
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 ロックバンド「G-FREAK FACTORY」ボーカルの茂木洋晃(46)は、古里での活動にこだわる。ニューアルバムの発売に伴って開催した1月からの全国ツアーは公演の延期や中止など新型コロナウイルスの影響を受けたが、ライブや音楽、地元について考える機会になった。「東京でなければできないことなんてないことが浮き彫りになった。ローカルにとって最大のチャンス」と前を向く。

 子どもたちを災害から守ろうと、「安中ヘルメットプロジェクト」を昨年、地元の若者らと立ち上げた。Tシャツの販売収益全てを防災ヘルメットの購入に充て、市内の小学校へ贈っている。「今は分からなくても将来、ヘルメットを通じて私たちのメッセージが子どもたちに届く。この運動を他地域にも広げたい」と語る。

 フリーアナウンサーの竹下裕理(44)は、取材を通じて知った県産野菜のおいしさを多くの人に伝えようと、2013年に野菜ソムリエ上級プロ資格を取得。「楽しみながら食べて健康になるスタイルを伝えたい」と、会員制交流サイト(SNS)などを通じて食べることの楽しさも発信している。

 新島学園高出身の声優で舞台女優の原優子(29)は、今年公開された劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」などの人気作に出演。演劇の道に進んだのは高校の部活動がきっかけだった。「観客は私ではなくキャラクターを見に来ている」という教えを学んだのも演劇部。「皆さんに面白い、好きだと思ってもらえるように精進したい」と目標を語る。

 歌舞伎の市川喜猿(45)=写真は松竹提供=は1996年、市川段四郎に入門。段三郎として初舞台を踏んだ。2003年に猿之助(現・猿翁)門下となり、五代目喜猿を襲名。古里の同市松井田町での初公演を13年に開いた。15年に名題昇進披露を行い、名題俳優となった。

 俳優の佐野元哉(52)は横山秀夫原作の映画「64(ロクヨン)」(16年公開)など映画やドラマ、CMで活躍する。安中が舞台のまち映画「ライズ&シャトル」(20年公開)ではヒロインの父を好演。同作に出演し、主題歌も担当したシンガー・ソングライターのEmii(32)は、米バークリー音楽大で学んだ実力派だ。ラジオ高崎の冠番組「Very Merry Emii」に出演している。

 モデルの阿久津ゆりえ(32)は専門学校在学中にスカウトされ、活動を開始した。ファッション誌や映像作品のほか、大手企業広告、朝の情報番組に起用されている。

 歌手でお笑い芸人、声優の金谷ヒデユキ(55)は、アニメや洋画の吹き替えのほか、漫才協会所属の漫談家として、東京・浅草を拠点に活動を広げている。

 落語家の桂ひな太郎(68)は1977年、古今亭志ん朝に入門し、93年に真打ちに昇進。師匠の志ん朝が亡くなった後、桂文楽門下に入った。近年、成年後見制度について実例を交えて紹介する落語「後見爺(じい)さん」に取り組む。制度の橋渡し役として各地で披露しており、「どんどん出向いて社会貢献したい」と意気込む。
(敬称略、田島孝朗)

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