町田清家住宅主屋が登録文化財へ 弥平旧宅周辺で5軒目 伊勢崎・境島村の蚕種製造民家 明治の上質な造り評価
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登録有形文化財の登録が答申された町田清家住宅主屋(左側が登録対象)

 国の文化審議会(佐藤信会長)は16日、世界文化遺産の田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市境島村)の近くにある蚕種製造民家「町田清家住宅主屋」(同)を登録有形文化財(建造物)に登録するよう萩生田光一文部科学相に答申した。明治中期以降に建てられ、境島村では珍しいケヤキやヒノキ材を多用した上質な造りが評価された。弥平旧宅周辺では2月以降、他に4軒が有形文化財に登録されており、数多く残る蚕種製造民家の面的な保存に向けた機運が高まりつつある。

 主屋は瓦ぶきの2階建てで、1887(明治20)年ごろの建築。東側の土間部分は昭和40年代に再整備され、屋根上の換気用の櫓(やぐら)も同じ頃に撤去された。

 登録は再整備部分を除いた西側で、建築面積121平方メートル。境島村の一般的な蚕種製造民家がスギ材を多く使っているのに対し、引き戸の上枠の「指鴨居(さしがもい)」や床下の「足固(あしがた)め」に極めて太いケヤキ材を使い、1階の天井も太い構造材を生かした豪快な意匠。一方で、欄間は繊細な造りになっている。

 かつて蚕種製造で栄えた境島村では、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の選定を目指して昨年10月、蚕種製造民家の所有者らが境島村登録文化財活用推進協議会を発足。2月に3軒、6月に埼玉県本庄市と敷地をまたぐ1軒が有形文化財に登録された。本庄市も含め、他にも登録を目指す所有者が複数いるという。

 登録の答申を受け、所有者で同協議会役員でもある町田清さん(67)は「境島村の蚕種業がいかに栄えたかを肌で感じられる家。公開して多くの人に見てもらいたい」と話す。会長の田島達行さん(72)は「重伝建選定に向け、登録の面的な広がりが出てきたのはいいこと。保存だけでなく、活用についても検討していきたい」と先を見据えている。
(天笠美由紀)

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