パラ開閉会式で感動呼ぶ 布袋寅泰さん、奥野敦士さん 素晴らしき世界へ心一つ
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東京パラリンピックの開会式で演奏する布袋寅泰さん(左)=8月24日夜、国立競技場
東京パラリンピックの閉会式で映し出された歌唱する奥野敦士さんの映像=5日夜、国立競技場

 世界中の人々が胸を熱くした東京パラリンピックが5日閉幕した。大会を盛り上げたのは選手たちだけではなく、開閉会式も注目され、多くの感動を呼んだ。その開会式にギタリストの布袋寅泰さん(59)=群馬県高崎市出身、閉会式にはロックバンド「ROGUE(ローグ)」のボーカル、奥野敦士さん(58)=前橋市出身=がそれぞれ出演。群馬県出身アーティストが開幕と閉幕を飾った。2人にパフォーマンスに込めた思いなどを聞いた。(村上真代)

◎揺れる心と躍動 表現 ギタリスト・布袋寅泰さん

 8月24日の開会式では、和合由依さん(13)が演じる物語の主人公を音楽で鼓舞するロックバンドの一員として、布袋さんが登場。江戸期の絵師、伊藤若冲の日本画で装飾したトラックの荷台に乗り、全盲のギタリストらと共に演奏した。

 ―出演した感想は。

 パラリンピックに関わる全ての人々の思いが凝縮された素晴らしい開会式だったと思います。キャストの一員として参加させていただき、大きな気づきや学びを与えてもらい感謝しています。

 ―どのような思いから出演したのか。

 コロナ禍という困難な時でも、世界中の一人でも多くの方々にパラリンピックへの興味を持っていただき、出場選手やチームを応援してもらいたい一心でお受けしました。

 ―開会式のために書き下ろした楽曲を披露した。どのような思いを込めて演奏したのか。

 「片翼の小さな飛行機」という物語の主人公のSOYOKAの揺れ動く心と、仲間たちの躍動的なパフォーマンスを引き立てる音楽を丁寧に作曲しました。演奏はキャストと心を一つにしたつもりです。

 ―閉会式に、同じ群馬県出身の奥野さんも出演した。

 驚き胸が熱くなりました。と同時に、彼と周りの仲間たちの喜ぶ姿も目に浮かびました。彼もパラアスリートたちと同じく、音楽を諦めず闘っている人ですから。うれしかったです。

 ―今後の社会への期待は。

 日ごろ、不平不満ばかりをこぼしがちな私たちに、パラリンピックは前向きに生きることへの勇気を与えてくれたと思います。いかなる現実からも目を背けず前に進む、そんな社会を目指したいですね。

◎平和、平穏求めて熱唱 「ROGUE」ボーカル・奥野敦士さん

 5日に行われた閉会式のクライマックスでは事故で頸椎(けいつい)を損傷し、車椅子で生活する奥野さんが映像出演した。高崎市営のプロ専用録音スタジオ「TAGO STUDIO TAKASAKI」で収録。ありふれた風景の幸せを歌うルイ・アームストロングの名曲「この素晴らしき世界」を深みのある声で熱唱した。

 ―出演した感想は。

 周囲から反響があり、たくさんの人が見てくれたようです。「感動した」と声を掛けられ、出演して本当に良かった。自分の登場シーンがクライマックスだったのは驚きました。

 ―出演はどのような思いから。

 昨年から今年にかけ、3回手術を受けました。体力的な不安もありましたが、オファーを受けた曲が「この素晴らしき世界」。自身の事故後、リハビリ時に歌った思い入れのある曲ということもあり、出演を決めました。

 ―どんな思いを込めて歌ったのか。

 ベトナム戦争の時に、平和な世界になってほしいという願いを込めて作られた曲。自分も平和や平穏を求めて歌いました。閉会式本番は、不自由な自分たちが皆で世界平和を歌うような演出で良かった。

 ―開会式には布袋さんも出演した。

 トラックで出てきて、すごくかっこ良かった。出演が重なったのは偶然ですが、「開会式に布袋、閉会式に奥野」ということで、県民が喜んでくれたと聞きました。やったかいがありました。

 ―今後の社会へ期待することは。

 まずは新型コロナウイルスが収束すること。それから、アフガニスタンの情勢も落ち着いたらいい。今の世の中に「この素晴らしき世界」は染みたのでは。早く会いたい人に会える生活になってほしい。

◇    ◇    ◇    ◇     ◇

【メモ】 布袋寅泰さんは10月23、24の両日、アーティスト活動40周年を記念したツアーのコンサートをGメッセ群馬(高崎市)で行う。奥野敦士さんもローグのメンバーとして来年6月18、19の両日、自身が中心となって行う福祉やバリアフリーの充実を願うライブ「FINAL GBGB」をGメッセで開催する予定。

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