出掛けよう 朔太郎の街 前橋にブックカフェバー
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「前橋の活性化の一助となれたらうれしい」と話す肥沼さん

 群馬県前橋市出身の詩人、萩原朔太郎(1886~1942年)に魅了されたジャーナリスト、肥沼和之さん(38)=東京都新宿区=が発案したブックカフェバーが12日、同市中心市街地の弁天通り商店街に開店する。朔太郎に思いを寄せた店の名は「月に開く」。「文学好きにもそうでない人にも、前橋の街へ出掛けるきっかけとなる空間をつくりたい」と話している。

◎ジャーナリストの肥沼さんが開店

 店は、前橋文学館までおよそ200メートルの立地。さまざまなジャンルの約千冊の本を置き、日中は「ゆっくり本を読むもよし、仕事や宿題をするもよし」の空間に、夜は「隣同士で偶然会話が始まるような」空間を目指す。作家やライターの一日店長や、好きな本の魅力を発表し合うビブリオバトル、俳句のワークショップなども構想している。

 肥沼さんは、朔太郎の作品のタイトル「月に吠える」の響きが印象に残り、表現者として尊敬するようになった。作品にはもろさや美しさ、危うさが混在しているといい、「情けなさや人間くさい一面も魅力的」と捉える。

 朔太郎の孫、萩原朔美さんに手紙を出して交流が始まり、前橋文学館や市内の飲食店を訪れるうちに、前橋のまちおこしに意欲が湧くようになった。約1年前に市内に部屋を借り、「前橋の街で何ができるか」と思案を続けた。相談をしていた商店主らから背中を押され、出店を決めた。

 新宿ゴールデン街で「日本一敷居の低い文壇バー」(肥沼さん)の「月に吠える」を経営しており、前橋での開業に当たって直木賞作家、田中小実昌の孫で、ゴールデン街で本とアルコールをコンセプトにした飲食店を開いている田中開さん(27)を誘った。「月に開く」は田中さんと共同で経営する。

 営業は当面の間、木曜から日曜の週4日。木、金曜が午後3時~同10時、土、日曜は正午~午後10時。

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