謎のれんが遺構発見 前橋・臨江閣別館の地中から
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臨江閣別館から見つかったれんが遺構(前橋市教委提供)

◎「富岡製糸に並ぶ」明治初期の建物?

 前橋市を代表する近代和風建築、臨江閣別館(群馬県前橋市大手町)の基礎下や庭園の地中かられんがの遺構が見つかっていたことが14日、分かった。1884(明治17)年の本館建設時の記録には建物の存在はなく、同年以前に造られ、既に遺構となっていたと推定される。72年(明治5年)に建てられた県内最古級のれんが建造物、富岡製糸場に近い年代とみられるが、解明されていない部分が多い。市教委文化財保護課は年代の特定につながるような史料の収集を進める考えだ。

 文化財保護課によると、別館の創建当初の仕様書と現在の状況を突き合わるため、2016年~17年に調査したところ、別館の第5和室基礎下と庭園の地中から遺構が見つかった。一辺が13メートルと12メートル程度で、156平方メートルの建物だったとみられる。

 一つのれんがの大きさは縦23センチ、横11センチ、高さ6センチで、長面だけの段と短面だけの段を交互に積み重ねるイギリス積みで積まれていた。れんがの下には玉砂利を含むコンクリートや人の頭ほどの川原石が施工されている部分もあった。

 遺構の発見を受けて史料を調べたところ、別館(1910年完成)を建設する際にこの遺構の存在が確認されたため、建設の契約変更が生じたという書類が見つかった。

 同課は「富岡製糸場に並ぶ、古い時期に建てられたれんが建造物といえる。ただ、存在が分かるような史料はなく、謎に包まれている」と説明した。

 市の前橋学センター長、手島仁さんは臨江閣周辺にかつてあった牧場の存在に着目する。手島さんによると、牧場は武士の生活救済のために行われた明治初期の士族授産で資金を得た士族によって設けられた。「れんがは牧場関連の遺構である可能性があるが、場所を示した地図など決定付ける史料がない」とし、新たな史料の発見に期待を寄せている。

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