《ぐるっと点検》自然親しみ学ぶ場に 枝打ちや工作 机の天板にも 学校林
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

◎8市町村で計173ヘクタール

 財産形成や環境学習を目的に小中学校が所有する「学校林」は、群馬県内の8市町村にある。児童生徒の自然学習に生かしたり、森林整備の重要性を学ばせたりする学校がある一方、学習に活用していない学校や、国に借りた土地を返還する予定のところもある。

 学校林は明治時代に、米国の教育家が紹介した植樹運動の影響を受けて始まったとされる。第2次世界大戦後の復興期に学校自体の財産形成などを目的に植林され、木材の販売益を校舎の改造費などに充てていたこともあったという。県内小中学校の学校林の総面積は約173ヘクタール。学校単位で所有するほか、学校の区分を設けずに自治体が所有するケースもある。

■環境保全考える
 川場村には村が持つ42ヘクタールの学校林がある。村内の児童生徒は春に下草刈り、秋に防火線の手入れをするなど、森林の中で作業し環境保全の大切さを学んでいる。

 学校の机の天板は学校林の木材で作る。児童生徒の名前をレーザー加工したもので、入学時に児童生徒に贈られ、卒業時に机から取り外して持ち帰ってもらう。川場中3年の久保田望音さんは「勉強の時間も木を感じられる。特別なものなので大切にしたい」と話す。

 高崎市の倉渕中は、県森林管理署職員を講師に招いた学習をしており、生徒は学校林で除伐や枝打ちを体験する。沼田市の多那小の児童は学校林で拾ったどんぐりでリースを作るほか、木の観察などを通して森林への理解を深めている。

■伐採し国に返還
 一方、31ヘクタールある桐生市や16ヘクタールある東吾妻町などは、学校林を使った環境学習を行っていない。1949年に国から土地を借りた東吾妻町は、契約が終了する2021年に学校林を伐採して国に返還する方針だ。町の担当者は「学校の統廃合などによって学校林と学校が離れてしまっている場所もあり、活用しにくくなっているのでは」と分析する。

 学校林を持たない学校の多くは、林間学校や登山などで自然体験の機会をつくったり、近隣の森林を利用した学習プログラムを設けたりして、児童生徒の環境への理解を深めている。近年は校内にビオトープを造る学校が増えており、伊勢崎赤堀東小やみどりあずま小などは、ビオトープの生き物を観察して生態系や環境保護の重要性を学習している。
(高野誠也)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事