《迫る市長選・高崎市の課題》駅近の活気 波及を 集客施設の整備進む
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9月に高崎芸術劇場が開館するJR高崎駅東口。中心部の開発が進む一方で、合併地域との格差も指摘されている

 4月14日告示、21日投開票の日程で市長選が予定される群馬県高崎市。JR高崎駅周辺では、高崎アリーナ、高崎芸術劇場と、集客施設の整備が着々と進む。今後は戻りつつある駅周辺の活気を、中心商店街、さらには合併地域へと波及させるためのソフト面での取り組みが求められる。

◎合併地域と格差拡大

 市が昨年実施した中心市街地の通行量調査では、歩行者や自転車利用者は前回2016年の調査と比べ約3割増。ただ、駅から約1キロ離れた西口の商店街の店主は「土日でも人影はまばら」と実感が乏しいのが実情だ。来訪者の回遊性を高めるためのきめ細かな施策を期待する声は根強い。

 一方、駅東口の高崎競馬場跡地では、来春の開所に向け、県のコンベンション施設「Gメッセ群馬」の整備も進む。さらに、芸術劇場の隣に商業施設や都市型ホテルなどが入る再開発ビルの建設計画もある。

 「渋滞を防ぐために駐車場を確保できるのか」。1日の市議会本会議で複数の議員が執行部に質問した。現状でも不足が指摘されている上、同劇場には一般向けの駐車場がない。来訪者の利便性を高める上でも、駐車場の拡充や利用しやすい公共交通の提供など、取り組むべき課題は少なくない。

 加速する施設整備と並行し、集客効果を生む継続的な仕掛けと受け入れ態勢の早急な整備が求められている。

■にじむ悲壮感
 高崎市は2016年策定の地方版総合戦略「市緊急創生プラン」で、25年に人口40万人を目指すとしているが、国立社会保障・人口問題研究所の推計では減少する見通し。人口が集中する中心部と過疎化が進む合併地域の格差が拡大しているとの指摘もある。

 「(商売は)全然だめ。30年前は活気があったが、現在は若者が市街地に出ていってしまう。どうしようもない」。06年に合併した倉渕地域で衣料品店を営む70代女性は悲壮感をにじませる。

 同地域は昨春に山村留学施設「くらぶち英語村」が開校。市営サッカー場も整備され、16日には天体観察施設「くらぶちこども天文台」がオープンする。市外からの来訪者の増加が期待されるものの、地元にどこまで好循環が生まれるかは不透明だ。

 人口は毎年約100人ずつ減少しており、1998年度に245人いた商工会員数は、高齢化や後継者不足の影響で4割近くまで減った。塚越正商工会副会長(70)は「今住んでいる人を支援しつつ、定住人口を増やすために魅力ある地域づくりを考えなければいけない」と課題を挙げる。

■均衡ある発展を
 市は人口減が目立つ倉渕、榛名、吉井地域への移住を促そうと、空き家に住む場合は家賃の2分の1(上限月額2万円)を補助する制度を2014年度に始めたが、5年間で申請は4件にとどまる。住居取得に際して受けた融資の利子5年分を全額補給する制度の利用件数も多いとは言えない。

 3選を目指して出馬表明した現職の富岡賢治氏(72)は、総合人材サービス会社の調査「働きたい街ランキング2018(関東)」で、同市が舞浜(千葉)と並び20位に入ったことに自信を深める。ただ、5年後、10年後に取り残される地域は生じていないか。中心部の開発に目を奪われがちだが、合併地域の均衡ある発展も、取り組むべき課題だ。

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