《ぐるっと点検ぐんま》増える空き家 県内は過去最高の16.6%
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 中山間地に限らず、街中でも人の住まない住宅が目に付き始めた。国は2015年、空き家対策特別措置法を施行し、市町村ごとに空き家対策への取り組みを促している。群馬県内では本年度末までに20市町村が「対策計画」を策定し、新年度にさらに8市町村が策定予定。空き家対策に本腰を入れる自治体が増えている。

■32市町村が調査
 総務省の住宅・土地統計調査によると、14年の県内の空き家数は5年前と比べ、2万7000戸増の15万0100戸。同統計には別荘や賃貸など事業物件も含むが、空き家率は過去最高の16.6%と全国平均(13.5%)を上回り、全国9位となった。

 本紙が行った県内35市町村へのアンケートによると、既に32市町村が空き家の実態調査を実施済み。県内の空き家数は、少なくとも約2万7000件に上ることが分かった。

 32市町村のうち、空き家の情報を紹介する「空き家バンク」を運営する自治体は18市町村(川場は休止中)あり、これまで計417件の橋渡しをした。太田、榛東、嬬恋、東吾妻、玉村、大泉の6自治体は「近く開始」と回答した。

 12年間で222件の成約に結びつけた桐生は「住みたい田舎ベストランキング」(宝島社)でも毎年、上位に名を連ねる。同市空き家対策室は「一足飛びにはいかないが、地道に実績を重ねることで口コミが広がった」とみる。一方で、同市黒保根町の尾池裕一郎さん(60)は「新しい人が来ると近所が活気づくが、転出してしまうケースもある」と定着の難しさを語る。

■決定打はまだ
 民間企業がインターネットで全国展開する「空き家・空き地バンク」に加入する動きも出ている。アンケートでは8市町村がすでに加入し、17市町村が加入を検討していることが分かった。渋川は昨年3月から、独自の空き家バンクの運営と並行して2社のサイトに加入する。ただ、登録物件数は伸び悩んでいると言い、担当者は「見ず知らずの人との不動産取引はハードルが高い」と指摘する。

 定期借地権を活用した「県空き家活用・住みかえ支援事業」には、県と35市町村が加わっている。50歳以上の人のマイホームを移住・住みかえ支援機構が借り上げ、3年の定期借家契約を橋渡しするものだ。だが、制度開始から7年がたつ中、県内実績は15件と、こちらも低迷している。空き家解消と移住促進の決定打は、まだ見つかっていない。

◎自治体が解体し管理

 高崎市は「空き家緊急総合対策」を2014年度に策定し、空き家の解体や管理に乗り出している。10年以上空き家状態で、周囲に危険を及ぼす恐れのある住宅の場合、解体費用の80%(上限100万円)を助成。4年間で685件を取り壊した。空き家の管理費用の一部助成や、地域サロンに改修して家賃を補助する活用策にも取り組む。

 県内ではこれまでに、前橋、安中、下仁田、大泉の4市町が、行政代執行により空き家5件を取り壊した。利活用が困難な空き家は着実に増えており、解体や撤去費用の増大も懸念される。(和田吉浩)

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