《刻々 知事選》Gメッセ 11市が期待 集客資源の経済効果
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◎世界遺産は「停滞」46%

 群馬県知事選を前に上毛新聞が35市町村長に行ったアンケートで、来年4月にオープンする県コンベンション施設「Gメッセ群馬」(高崎市)と、登録5年となった世界文化遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」について、各市町村への経済波及効果の受け止めを聞いた。Gメッセは37%に当たる13人が「波及すると思う」として「波及は難しい」(14%、5人)の2.6倍となり、期待感が先行する。世界遺産効果は46%に当たる16人が「波及効果があったが停滞している」を選んだ。

 GメッセはJR高崎駅東口近くの高崎競馬場跡地で整備が進む。県の整備基本計画で、経済活性化と交流人口の増加、若者や女性の雇用創出につながるなどと説明。年間来場者数は96万人、経済効果は128億円と想定している。

 アンケートでは、12市のうち10市が「波及すると思う」と答え、高木勉渋川市長は選択肢に「波及させたい」と加筆した。清水聖義太田市長だけが「波及は難しい」を選んだ。山本龍前橋市長は「待っていて経済波及がないのは当然。呼び込む取り組みや魅力づくりはおのおのの自主努力」と指摘し、整備効果を積極的に取り込もうとしている。

 一方、町村部は「どちらともいえない」(15人)、「波及は難しい」(4人)が多数派。「どちらともいえない」とした回答者のうち、柴崎徳一郎吉岡町長は「町民の関心度はあまり高くないようだ」、堤盛吉昭和村長は「オープンしないと分からない」とする。

 世界遺産効果について、構成資産のある4市町のうち、伊勢崎、藤岡、富岡は「停滞」を選択。榎本義法富岡市長は「登録前と比較すれば、富岡製糸場の入場者数や観光客数は上回っている」と指摘し、「継続的な経済効果はこれからの観光施策次第」とした。

 構成資産の荒船風穴がある下仁田は「波及効果があり継続している」を選択。原秀男町長は「見学者数は減少しているが、最近は『しもにたかつ丼』などの人気により飲食店街への来訪者も多く、町内への経済効果もあると感じている」と前向きに受け止める。

 「停滞」とした回答は中山間地域で目立ち、中沢恒喜東吾妻町長は「当町の温泉宿泊施設で多少の効果があったが、今後の拡大は見込めない」とした。

 構成資産から離れているなどの理由で13人が「波及効果はない」を選んだが、周遊観光など今後の方策に思いを巡らせる首長もいる。須藤昭男みどり市長は「富岡製糸と日光の二つの世界遺産をつなぐゴールデンルートとして道路整備を進め、観光客の誘導を図っていきたい」としている。

 黒岩信忠草津町長は二つの設問に回答しなかった。

◎遺産の保存活用情報発信前向き 出馬予定2人

 知事選に出馬予定の参院議員の山本一太氏(61)=自民党推薦=と、元全群馬教職員組合執行委員長の石田清人氏(62)=共産党推薦=はともに、富岡製糸場を核とする「絹の国」の情報発信に前向きだ。

 山本氏は知事選に向けた政策集で、基本政策として「世界遺産・世界記憶遺産を保存整備し、活用・継承」や「日本遺産・ぐんま絹遺産を活用し『絹の国』を発信」を列挙している。

 石田氏は取材に「郷土の貴重な文化遺産をしっかり守り、子どもに学んでもらう機会をつくりたい」と述べた。教育の場での活用に加え、観光面での発信も充実させたいとする。

 コンベンション施設「Gメッセ群馬」について、石田氏は「必要性がない」との立場だが、完成が迫っていることを踏まえ「県外への売り込みだけでなく、県民向けに安い料金を設定し、地域の人に使ってもらうべきだ」とする。

 山本氏は重点政策として「県GDP・県民所得の拡大」を挙げる政策集で、Gメッセには触れていない。ただ、自民県連と交わした政策の確認書では、Gメッセ活用が盛り込まれた。

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