食品ロス削減へ 納品期間の商習慣「3分の1ルール」 転換期に
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「3分の1ルール」の該当商品も並んだ社内販売会

 食品の製造から納品までの期間を厳しく縛る「3分の1ルール」と呼ばれる商習慣を巡り、群馬県内関連の食品メーカーが対策を進めている。各社は賞味期限の近づいた商品を値引きして直販したり、期限の表示を変更したりして対応。まだ食べられるのに大量に廃棄される「食品ロス」の削減に向け、消費者に理解を求めながら積極的に取り組む。

 3分の1ルールは、製造日から賞味期限までの期間の3分の1が経過する前に小売業に納品するという商習慣。この期限を過ぎると返品されたり廃棄されたりしている。

■高まる機運
 7月下旬、前橋市内にある会社の会議室にクッキーやあめなど約150種の食品が並んだ。高崎市に生産拠点を置く森永製菓(東京都)グループの森永市場開発(同)が実施した社内販売会だ。

 商品全体の約2割が3分の1ルールに該当し、納品できなくなったもの。賞味期限1カ月前のチョコレート菓子は半額以下で販売された。購入した女性(26)は「生鮮品ではないので賞味期限はあまり気にならない」と好評だった。

 同社東日本事業部の亀田秀則部長は「業界でも慣習を変えようという機運は高まっている」と取り組みを強化する。

 3分の1ルールを巡っては農林水産省と経済産業省が2017年、卸しや小売りの各種団体に向けて、飲料と賞味期限180日以上の菓子に対する納品期限緩和の推進を要請。今年7月にはカップ麺を加えた緩和品目の拡大を通知した。

■小売店は慎重
 群馬県で即席めん「サッポロ一番」を生産するサンヨー食品(東京都)は「2分の1(ルール)になるように流通業者に働き掛けており、一部で理解され始めている。時間がかかるかもしれないが、賛同いただけるよう今後も取り組む」と説明する。

 賞味期限の表示を変更するメーカーもある。館林市に生産拠点を持つアサヒ飲料(同)は、缶とペットボトル商品の表示を「年月日」から「年月」に変更した。17年9月に賞味期限12カ月以上の商品、18年4月には同8カ月以上の商品の表示を切り替えた。「食品ロス削減と物流効率化を進め、環境への負荷を低減したい」としている。

 一方、小売店は慎重な姿勢。ベイシア(前橋市)は、3分の1ルール見直しの動きについて同業他社などの状況を調査中といい、「『新しいものを、良い状態で』という消費者ニーズとどう調整をとるかが課題」と考える。フレッセイ(同)は社内で見直しの動きはないものの卸売会社が見直す方針を示した場合には従うとしている。

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