あすから消費税10% 増税前 最後の週末 駆け込み購入ピークに
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増税を前に特設コーナーで生活用品を買い求める人たち=けやきウォーク前橋
増税を前に生活必需品を買い求める客の対応に追われる店員=マルエドラッグ大胡店

 消費税率が10月1日に10%に引き上げられるのを前に、税率8%で迎える最後の休日となった29日、群馬県内各地の小売店では駆け込み購入がピークを迎えた。2014年4月の前回増税後には駆け込みの反動と節約志向の高まりで大きく消費が落ち込んでおり、今回も景気の先行きに懸念は消えない。政府は軽減税率の導入に加えてキャッシュレス決済へのポイント還元など手厚い増税対策を用意するが、複雑な制度に混乱は必至だ。

◎値引き競争も活発に
 増税対策の切り札として実施されるキャッシュレス決済時のポイント還元策も効果は未知数。対象となる約200万店の中小事業者のうち、10月1日からの実施は約50万店にとどまる。国の補助の対象外となった大手スーパーの中には独自値引きで対抗する店もあり、過度な価格競争が生じて逆に景気にマイナスとの指摘もある。

 日本百貨店協会によると、税率が5%から8%に引き上げられた直後の14年4月の全国百貨店売上高は、前年同月比12%減と大きく落ち込み、その後も15年1月まで前年割れが続いた。今回の増税幅は2%と前回より小さいが、消費者の財布のひもが固くなるのは避けられない。

 軽減税率の準備に追われる外食産業でも、税率10%の店内飲食と8%が適用される持ち帰りとの線引きは複雑で「当初はトラブルが絶対に起こる」(大手チェーン関係者)との見方が大勢だ。いったん税率10%で会計した客が持ち帰りへの変更を希望した際に返金に応じるかどうかなど、各社の対応はまちまちで消費者も戸惑いそうだ。

◎トイレットペーパー、アルコール、寝具… 消費者に重い2%
 消費増税前最後の日曜日となった29日、県内各地の小売店は日用品をまとめ買いする買い物客らでにぎわった。駆け込み需要を取り込みたい店側も、ポスターやちらしで売り場を飾ってPR。トイレットペーパーやティッシュといった紙製品やアルコール類の大量購入が目立ったほか、高額商品を求める客も多かった。

 高崎市内のスーパーで24本入りのビールケース1箱を購入した同市の看護師の女性(67)。2週間前には増税後の値上がりを見込み、自転車を買った。「知人もティッシュや洗剤をまとめ買いしている。(増税まで)あと1日あるので、これから必要なものをピックアップしたい」と生活防衛に余念がない。

 「重いわぁ」。太田市のとりせん城西の杜店では、市内の女性(70)がカートに積んだ段ボール箱を汗ばみながら車のトランクに移していた。ティッシュなど日用品で2万円ほど使い、「重いので2回に分けてレジを通した。安いうちに買っておく物を紙に書いてきたの」と一安心の様子。別の女性(55)も「同じ物なら安く買いたい」とトイレットペーパーなどを買い込んでいた。

 スーパーを運営するとりせん(館林市)によると、対象商品を1割引きで販売するセール日と重なったこともあり、日用品に加え、ビールや4リットル入りの焼酎などアルコール類の売れ行きも好調だった。担当者は「まとめ買い効果でコメや調味料といった軽減税率の対象となる商品の大量購入もあった」と説明する。

 まとめ買い割引のキャンペーンをした前橋市のマルエドラッグ前橋朝倉店。50代の主婦は「介護用おむつをはじめ、いつもの2倍買い物をした」と話す。同店は「(5%から8%に引き上げられた)2014年に比べると緩やかだが、中高年層を中心とした需要が高い」と分析する。

 高額商品の需要も盛り上がっている。けやきウォーク前橋内のアピタ前橋店では、日用雑貨のほか10万円以上する高級マットレスを含む寝具の購入が目立った。売り場担当者は「合わせ毛布や羽毛ふとんも売れた。冬の準備を前倒ししているのでは」とみる。40代の主婦は「季節の変わり目だし、必要な物だから」と熱心に商品を選んでいた。

 14年の増税時には給油を待つ車の長蛇の列ができた同市のガソリンスタンドスタッフは「原油価格の高騰もあり、1リットルあたり5円ほどの値上げを想定している」とし、「法人の営業車をはじめ、直前の30日には混雑するだろう」と見込んでいる。

 一方、冷静に増税を受け止める人も。藤岡市の女性(45)は「消費税が2%上がっても、今の生活にさほど影響はない」と話し、日用品などの買い込みはしなかった。

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