コシダカHDが国内初の「スピンオフ」 カーブスを独立・上場へ
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「スピンオフ」を活用した事業再編について説明する腰高社長
株式分配型スピンオフの概要

 群馬県に本社を置く東証1部上場のコシダカホールディングス(前橋市大友町、腰高博社長)は10日、完全子会社でフィットネス事業を手掛ける「カーブスホールディングス」(東京都港区、増本岳社長)の全株式を、コシダカの既存株主に現物配当の形で割り当てる「スピンオフ」の手法での事業再編を来年3月に実施すると発表した。カーブスはコシダカから独立し、東証に新規上場する予定。分社時に課税されないスピンオフ制度が初めて適用される見通し。

◎カラオケ事業に集中へ…コシダカ
 意思決定を迅速化し、コシダカの中核事業のカラオケと、カーブスのフィットネス事業のさらなる発展を目指す。

 カーブスは15日に店舗数2000店を達成するが、今後3~5年でさらに400店を出店。昨年3月にカーブス事業の本部(米国)を買収しており、海外事業のさらなる拡大が予想されることから、単独でのガバナンスの強化を図る。一方、コシダカもカラオケ事業に経営資源を集中できるため、海外や繁華街への出店、1店当たりの大型化などにつなげる。

 経済産業省によると、スピンオフで経営が独立すれば、迅速柔軟な意思決定や独自の資金調達が可能になり、元の会社の競合相手との取引がしやすくなるなどの効果も期待される。

 スピンオフは2017年度の税制改正で整備された。従来は法人の譲渡益や株主に配当した株に課税される懸念があったが、要件を満たせば課税の免除や繰り延べが認められるようになった。

 腰高社長は「カラオケ、フィットネスの両事業の成長を加速させ、日本や世界経済の発展に資するように取り組む」と意気込んだ。

◎カラオケ、フィットネス ともに堅調…連結決算
 コシダカホールディングスが10日発表した2019年8月期連結決算は、売上高が前期比6.6%増の658億4000万円、純利益が40.7%増の62億2600万円で、いずれも過去最高となった。主力のカラオケ、フィットネス両事業が堅調だった。

 営業利益は21.0%増の95億0700万円、経常利益は16.5%増の95億6200万円。

 カラオケ事業は、首都圏を中心に新規出店や既存店の増室で採算性を高めた。会員サービスアプリが好評で固定客が増え、大学生らを対象としたフリータイム導入も閑散時の集客につながった。国内は前期比5店増の525店。海外はタイに初出店したが、韓国の店を減らしたため4カ国で2店減の21店となった。

 フィットネスの「カーブス」事業は国内店舗数が79店増の1991店となった。会員数は約5000人減の82万2000人。

 20年8月期は、比較可能なスピンオフ未実施の場合で売上高が720億2900万円、純利益が73億6900万円と予想した。

◎集中で成長加速化を…コシダカ社長一問一答
 自社の保有する株式を既存株主に現物配当で割り当てる「スピンオフ」の手法を、国内初めてで実施するコシダカホールディングス(HD、前橋市大友町)。同社の腰高博社長は10日、上毛新聞の取材に対し、スピンオフ実施により経営資源をカラオケ事業に集中させ、さらなる成長を目指す考えを示した。一問一答は次の通り。

―スピンオフを実施する狙いは。
 コシダカHDの株主は、弊社とカーブスホールディングスの株式を直接保有できる。経営をカーブスHDの経営陣に任せることでさらなる成長になると考えた。経営に集中できるカラオケ事業も成長を加速化できる。

―カーブスHDを上場する。
 カーブス事業は大きく成長し、利益水準ではカラオケ事業を越えている。単独で上場することで知名度が向上し、従業員のモチベーションアップにつながる。

―経営資源を集中させるカラオケ事業の展望は。
 首都圏への出店で業績が上向き、自信を深めた。繁華街や駅前の出店を強化する。東京以外でも札幌、仙台、福岡のほか、人口20万~30万人の地方の中核都市に新規で建築出店する余地がある。2024年8月期に売上高650億円、将来的には1000億円を目指す。

 海外はマレーシア、タイ、インドネシアに積極的に出店する。25、26年ごろには200店にしたい。

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