《NEWSインサイド》テラス沼田 1階最大区画の誘致難航
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入居事業者が決まっていないテラス沼田の1階部分

 群馬県沼田市が中心市街地のにぎわい創出を目指して再整備した複合施設「テラス沼田」は、開館から半年が経過した。市庁舎や公共機関の事務所のほか、飲食店やスポーツジムが入居。市民の利用が広がって徐々に定着してきたが、1階の最大区画に入居する事業者が決まっていない状況だ。通りに面したスペースだけに、市民からは「まちなかが寂しい」との声も。市は、商業用としてきた最大区画の活用方針を転換。可能性を幅広く探るため、年内にも市場調査に乗り出す。

■駐車場に課題■
 テラス沼田は大型商業施設「グリーンベル21」が母体。市街地再開発の核施設として1993年に開業したが、テナントの撤退が相次いだ。市は市街地活性化に向けて2014年に建物を取得し、庁舎移転などを決定。改修後の5月7日に供用を開始した。

 3~5階は市庁舎で、商工会議所や市社会福祉協議会、ハローワークの事務所も入る。1階広場はイベントなどで活用。唯一入居するテナントは弁当などを販売するサンモール(同市桜町)で、レストラン「NUMATA DINER(ヌマタ・ダイナー)」を運営している。

 未入居は1階西側の約590平方メートルの最大区画。市内のスーパーマーケットが営業を予定したが、初期投資の増加を背景に方針を撤回した。パンフレットなどで周知を始めていた市は、北側約90平方メートルの区画とともに再募集。北側は、市内で学習塾を経営する事業者に決まったが、最大区画への応募はなかった。

 その後、事業者と交渉を進めて秋の全面オープンを目指したが、実現できていない。北側も書店が出店を断念した経緯がある。地元商工関係者はこうした理由について「以前も商業施設として機能していたため、場所は問題ない。駐車場が一つの課題」とみる。

 テラスと接続する立体駐車場に車を止めた場合、往復には約15分かかるとされる。利便性を高めようと、市はテラス近くでの駐車場確保も検討している。

■官民連携も視野■
 最大区画となる1階部分に関して市は当初、野菜や肉などの生鮮品を扱う店舗を軸にしていた。年内にも市場調査に着手し、官民連携も視野に本社所在地や業種を問わずに事業者を探すこととした。広さや設計上の課題が生じた場合は、区画の分割にも対応する。

 市は市役所跡地の活用も含め、市中心部の回遊性の向上を狙う。跡地ではビジネスホテルチェーンのルートインジャパン(東京都)と交渉を進めており、ビジネス利用の宿泊の受け皿を確保し、交流人口を増やしたい考えだ。

 テラスのロビーは連日、勉強する高校生で埋まり、休日の子ども広場は親子でにぎわう。市は「多くの人に使ってもらえてありがたい。(最大区画の)テナントの開業を最後のピースと捉え、市民に愛される施設として育てていきたい」としている。(堀口純)

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