高強度の「スーパー繊維」 群馬大の撹上助教 製造の新技術確立
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新技術で製造した繊維を手にする撹上助教

 群馬大大学院理工学府(桐生市天神町)の撹上かきあげ将規助教(38)が、摩耗や衝撃に強いスーパー繊維の「超高分子量ポリエチレン繊維」を製造する新技術を確立した。従来の製法に比べて安全性が高く生産コストが抑えられるとして、共同研究を進める県内企業を募っている。防護服や産業機械での使用が期待でき、群馬県繊維産業の振興につなげたい考えだ。

◎共同研究の企業を募集
 超高分子量ポリエチレン繊維は、レジ袋などに使われているポリエチレン素材の分子量を3倍以上に高めた化学繊維。自然由来の繊維に比べて劣化が少ない。強度が高く、防弾チョッキや作業服、釣り糸、ロープをはじめとする建設資材などに使われている。

 新たな加工技術は金属製容器に超高分子量ポリエチレンを入れ、200度ほどの高温で溶かしてから糸状にするというもの。その際にかける圧力と温度のバランスが最適化できたという。

 大がかりな施設で石油由来の液体を加熱して製造する現在主流の製造法と比べ、設備投資が少なく、生産コストも下がる。石油由来の液体を必要としないため爆発の危険性が減り、環境への負荷も低くなるという。

 現在、同技術を活用した共同研究を進める企業を募っており、「地域の人たちと共に繊維の可能性を探り、学んだ知識を地元に還元していきたい」としている。

 撹上さんの父は着物や帯を加工する撹上織物(桐生市菱町)を経営しており、幼少期から繊維産業に親しむ中で、地場産業の活性化につなげようと取り組んだ。

 2017年から同大研究者が取り組んでいる「S(スーパー)メンブレンプロジェクト」の一環として研究。機能性が高い繊維の膜(メンブレン)の創造を通し、教育レベルの向上と地域産業への貢献を目指している。

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