改革、創造へ規模2番目の7451億円 県予算案内示 防災減災に力
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予算案について説明する山本知事=6日、県庁
 

 山本一太群馬県知事は6日、総額が前年度比0.8%減の7451億2800万円となる2020年度一般会計当初予算案を内示した。社会保障に関する費用が増大する中、事業の見直しを進めるなどして歳出を抑制。8年ぶりに前年度割れとなったが、要所には重点配分し、制度融資が特別会計に移管された08年度以降で2番目の規模となった。「県民の幸福度向上」を目指し、防災・減災対策に力を入れるほか、群馬県の魅力とブランド力を磨き上げ、民間活力を引き出す姿勢を前面に打ち出した。

 山本知事は会見で、予算案のキャッチフレーズに「改革+創造予算」「新群馬創生始動予算」「前例踏襲脱却予算」の三つを挙げ、「前例にとらわれない考え方で予算を作った」と強調した。

 防災・減災対策には343億6400万円を充て、河川改修や防災マップ作成支援といったハード、ソフトの両面から集中的に取り組む。温室効果ガス排出量や食品ロス、災害時の停電などについて昨年末に表明した「ぐんま5つのゼロ宣言」に絡む施策を推進し、災害に強く、持続可能な社会の構築を目指す。

 群馬県の魅力を発信するため、群馬交響楽団のベトナム公演支援と同国との文化交流促進、香港での県産農畜産物PRなど知事によるトップ外交を展開。4月開所のコンベンション施設「Gメッセ群馬」を活用した産業振興にも力を入れる。

 歳入のうち、県税収入は消費税率引き上げで地方消費税が増える一方、企業業績の落ち込みによる法人関係税の減少が予想され、0.6%増の2465億円を見込んだ。歳入確保策として、県有施設でネーミングライツの導入を拡大し、クラウドファンディング型ふるさと納税を実施するなど民間資金の活用を進める。

 歳出は、少子高齢化の進展や幼児教育無償化といった要因により、社会保障関係費が1069億円と10年前の1.5倍に増大。投資的経費は防災・減災関連や県有施設の長寿命化に重点配分しつつ、コンベンション施設整備の終了などを踏まえて全体的に公共事業を抑制し、23.3%減の974億円に圧縮した。

 事業の見直しによる減額や廃止は242件に上り、削減額は13億6000万円。災害時などの緊急的な財政出動に備え、財政調整基金の残高を前年度比3.5倍の52億円確保した。借金に当たる県債残高は国の交付税制度の一環の臨時財政対策債を除き、2億円減の7342億円を見込んだ。

 【解説】 山本一太知事が初めて手掛けた当初予算案は、従前の事業を大幅に見直しながら複数の新機軸を盛り込むなど、「選択と集中」を重視する姿勢を強く印象付けた。

 昨年10月に県として初めて作成、公表した中期財政見通しでは、毎年200億円前後の財源不足が生じる可能性を指摘していた。山本知事は財政運営の厳しさを示し、理解を広げながら引き締めを図った。

 コンベンション施設の完成などによる減少要因は大きい。だが、全体として公共事業を抑制し、財政の健全性確保に向けて前進できたのは、昨年庁内に発足した行財政改革推進チームが「熟慮断行」を掲げ、取り組んだ成果とも言える。

 交付金を活用して県庁32階にカフェスペースと起業家らが集うエリアを整備する2月補正予算案も発表された。4月開設の動画・放送スタジオをはじめ、山本県政が次々と仕掛ける新たな“種”がどう芽吹き、育つのか。多くの県民が注目している。

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