前橋→高崎 企業の群馬事業所 移転止まらず…
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 前橋市から高崎市に拠点を移す企業が相次いでいる。新幹線が通り高速道インターチェンジが近いアクセスの良さや、都市のさらなる成長を感じさせることを理由に挙げる企業が多い。群馬県内事業所の統廃合の際に県庁所在地の前橋ではなく高崎を残す大手企業も目立つ。

◎ヤマダ、帝国データ、JTB…

 ヤマダ電機は2008年、本社を前橋市内からJR高崎駅東口近くに移転した。商談に訪れる取引先の利便性向上が狙いだった。自社製品を売り込む電機メーカーの担当者が、駅からタクシーで旧本社に通う「ヤマダ詣で」が盛んだったが、本社移転で移動時間は片道1時間弱短縮した。

 ドコモCS群馬支店は昨年12月、前橋郊外から高崎中心市街地に移転した。マイカー通勤する従業員が大半だったが、公共交通機関を利用する人が目立つようになり、新幹線で首都圏や長野、新潟から通えるようになった。「人事交流をしやすくなった。単身赴任しなくて済むなど従業員にとって利点が大きい」(企画総務部)と説明する。

 高崎商工会議所の矢沢敏彦専務理事は、高崎駅周辺で進められている開発事業がさらなる発展への期待を高めていると指摘し、「人の交流が盛んになり、人口増につながってほしい」と話す。

 一方、前橋商工会議所の中島克人専務理事は企業転出が続いていることについて、「残念なこと。できるだけ前橋で活躍してもらえるよう、考えなくてはならない」とした。理髪店を営む小林信吾さん(55)=前橋市住吉町=は「前橋で消費してくれていた社員やその家族がいなくなった。我々のような地元の店の売り上げに大きく響いている」と実感を語る。

 前橋市は「税収減につながるので企業転出はできるだけ避けたい。商業に適した環境を整備し、起業しやすい雰囲気を整えている」(産業政策課)としている。

 北関東支店を埼玉に置くなどして県内拠点をなくしてしまう企業もある。会社社長の吉岡慧治さん(70)=同市=は「前橋、高崎で争うのではなく、群馬全体が結束し、魅力づくりに努めなくては生き残れない」と警鐘を鳴らす。

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