布製マスクの受注急増 新型肺炎で県内企業 機能性で注目
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「フル稼働で需要の増加に対応していく」と話すイヅハラ産業の赤石社長

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大を受け、布製マスクを製造する群馬県内企業でフル稼働が続いている。使い捨てマスクの急激な需要増を背景に小売店で品薄状態が続く中、繰り返し使える布製の利便性に消費者が注目。各社は独自技術で機能性を高めた製品を供給し、感染対策につなげようとしている。

 ジャカード織の独自技術を応用して商品開発に取り組むイヅハラ産業(桐生市)。2017年から製造販売している「ふわっふわっ美マスク」(4378円)の販売数が大きく伸びている。

 同社の布製マスクはシルク成分の特殊加工や、銅を合わせた糸を使用するなど複数の特許技術を詰め込み、肌触りの良さと抗菌・防臭効果を両立させている。ただ、複雑な縫製が多い上、ミシンや手作業で一枚ずつ製造するため供給が追い付かない状況が続く。

 布製マスクは洗えば何度も使える長所があり、普段使い捨てを利用している人がインターネット通販で購入しているとみられる。赤石重男社長は「使ってもらえれば商品の良さは伝わるはず」と売り込む。

 金井レース加工(同市)は布製マスクを受注生産している。医薬品や食品などに使われる安全性の高い染料「法定色素」で着色しており、関西のメーカーを中心に新規の発注が急増している。手作業が大半で生産数が限られるため、対応できない受注もあるといい、金井雄一代表は「一枚ずつ丁寧に作っていくしかない」と話す。

 衛生用品を開発、販売する環境浄化研究所(高崎市)は、織り込んでいない布「不織布」を使ったマスクを市内の協力工場で生産している。既に在庫はなくなり、対応に追われる日々が続く。

 同社のマスクは3枚入りで400円程度だが、特許を持つ放射線加工技術でウイルスを無害化する機能を備える。須郷高信社長は「供給が安定した後も、自社製品を選んでもらえるよう一人でも多くの消費者に届けたい」としている。

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