新型コロナで内定取り消し 学生救済へ企業名乗り
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 新型コロナウイルスの感染拡大で新卒学生への内定取り消しが全国的な問題になる中、就職先を失った学生を救済しようと、群馬県内企業の中に追加採用に取り組む動きが出てきた。選考試験を随時実施して早期入社を促し、不安解消につなげる。企業側には、社会貢献的な意味合いだけでなく、若い力への期待感も大きい。採用担当者からは「不安定な立場の学生をできる限り受け入れたい」との声が上がっている。

 総菜製造の田村屋(高崎市)は「安定雇用で地域に恩返しをしたい」との思いから、追加採用を決めた。選考を迅速に進め、希望者が最短で4月中に入社できるようにする。遠藤直行社長は「わが家にも就職活動を控えた子どもがいるので、親の不安も分かる。入社を決め、学生とその親に安心してもらいたい」と強調する。

 伊香保温泉のホテル松本楼(渋川市)も追加採用を決定。県内大学や高校に、対象となる学生への情報提供を呼び掛けた。担当者は「(新型コロナの感染拡大で)厳しい状況が続く観光業だが、回復を見込み、若い力で態勢を整えていきたい」と前を向く。

 スーパーマーケット運営のとりせん(館林市)は、店長候補やレジ担当者を追加採用する。適性検査や面接といった採用試験を短期間で実施。1~2週間ほどで採用の可否を通知し、5月以降に入社してもらう。担当者は「(内定取り消しによる)ショックは大きいと思うが、前向きな気持ちを忘れずに当社で力を発揮してほしい」と呼び掛けている。

 厚生労働省は今月、新卒者に対する内定取り消し事例が全国的に相次いでいると発表した。群馬労働局は本県に在住、在学する学生の内定取り消し事例をこれまでに把握していないとするものの、4月以降に奨学金の返済やマイカーローンの支払いなどを控えている学生が就職先を失えば「経済的にも精神的にも不安定になる」と指摘。対象学生の追加採用を打ち出す企業の動きを歓迎している。

 一方、行政機関の中にも内定取り消しとなった学生を支援する動きがある。桐生市は28日までに、市内に在住か実家がある大学、短大、専門学校、高校の新卒者を対象とする非常勤職員の採用計画(5人を予定)を発表した。

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