SUBARU 群馬製作所の夜間操業停止を6月19日まで延長
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生産調整の延長が決まった群馬製作所=18日

 SUBARU(スバル、東京都渋谷区、中村知美社長)は18日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う4月からの減産台数が世界で15万台を超えると明らかにした。国内唯一の自動車生産拠点である群馬製作所(太田市、大泉町)と米国工場で約1カ月にわたり生産を停止したため。同社の世界での年間販売台数は100万台程度で、約15%に相当する。同社は2021年3月期の業績予想の公表を合理的な算定が困難だとして見送ったが、減産による打撃は避けられない状況だ。

 群馬製作所は既に今月中の夜間操業停止を決めているが、これを6月19日まで延長。同22日から従来通りとなる2交代制で稼働を再開する予定。

 中村社長は電話による決算記者会見で「各国の経済活動再開の時期はいまだに不透明。21年3月期にとても大きな影響が出る」と述べた。20年3月期と21年9月中間期について、全執行役員が報酬の一部を自主返納すると説明した。

 18日発表した20年3月期連結決算は売上高が前期比6.0%増の3兆3441億円で2期ぶりの増収、純利益が7.9%増の1525億円で4期ぶりの増益だった。世界販売の7割を占める米国市場が好調で、新型コロナの影響は3月末までは限定的だった。

◎「下請け、助言や相談で対応」 社長・副社長の一問一答
 SUBARU(スバル、東京都渋谷区)の中村知美社長と製造分野を担当する細谷和男副社長は18日、電話による決算会見で報道陣の質問に応じた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う部品供給の遅れや北米での自動車需要減を受け、今後の減産の見通しや国内外への販路拡大方針を説明した。一問一答は次の通り。

 細谷副社長 生産調整中の群馬製作所(太田市、大泉町)の通常操業開始を6月1日から22日に延期する。5月11日から操業を再開した米インディアナ州の拠点でも、過去に例のない長期停止からの原状復帰となったことで機械の動作確認などに時間がかかり、5月の生産は5000台程度にとどまる見通しだ。これらを踏まえ、日米で計15万台超の減産になると想定している。

―縮小生産が長引くことで、下請け会社も影響を受ける。
 細谷副社長 さまざまな公的支援があるので、それらを整理して周知、助言する。下請け会社によって状況が違うので具体的な相談があれば、個別に対応する。

 ―今後の方針について。
 中村社長 米国に一本化している海外戦略を徐々に広げ、中国、ロシア、豪州に販路を拡大する。国内販売では年末までに新型車「レヴォーグ」を投入する。多方面への市場開拓と商品開発はこれまで通り、しっかりと進めていく。

◎東毛地域の下請け悲痛 「耐えるしか」
 SUBARUが群馬製作所(太田市、大泉町)で実施している生産調整を6月19日まで延長すると発表したことを受け、同社に部品を提供する東毛地域の下請け会社からは悲痛な声が上がった。

 「えー! そんなに延長するとは。耐えられないかもしれない」。60人を雇用する太田市内の内装部品会社社長は悲鳴を上げた。

 同社の4~5月の売り上げは前年同期比で6割減となる見通しで、現在は従業員の出勤を制限し、人材派遣を停止して減収に対応する。「耐えるしかない。これ以上の減産延長がないことを願っている」と声を落とした。

 市内の金属加工会社社長は「米国市場の動向なので文句の言いようがない」とつぶやく。通常の取引に戻るまでは、国の助成金を活用しながら従業員の雇用を守るという。

 太田商工会議所の加藤正己会頭は「しのぐしかない。行政や金融機関と連携し、会員企業の相談に応じていきたい」と述べた。

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