上信・上電・わ鉄 地方鉄道3社 苦境 休校・外出自粛で大幅減収
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 新型コロナウイルス感染症で、群馬県の地方鉄道3社が苦境に立たされている。一斉休校や外出自粛の影響を受け、3~5月は大幅に減収となった。緊急事態宣言の解除後も、在宅勤務や分散登校、旅行控えなどで利用客の減少は長引きそうだ。マスクや消毒液など運行に必要な費用もかさみ、手厚い支援が求められている。

◎全国でも「50%以上減」7割に
 上信電鉄(高崎市)の4月の運送収入は前年比65%減の1980万円、5月も70%近い減少で推移する。高い割合を占める通学客が9割減り、定期券購入はほぼゼロ。今後も分散登校で定期券需要が回復しきらない可能性がある。

 上州富岡駅が最寄りの世界文化遺産、富岡製糸場は5月末まで閉鎖。担当者は「大型観光企画『群馬デスティネーションキャンペーン(DC)』で多くの旅行商品が発売され、期待していただけに残念」と肩を落とす。

 上毛電鉄(前橋市)も4、5月の運送収入が前年比75%減だった。通常、年度末に支給される県などの補助金の前倒しを要望するなど、支援を求めている。

 「運行すればお金がかかり、3密を避けると採算が取れない」と古沢和秋社長。一部運休していたダイヤを1日に戻すが、「政府が推奨する『新しい生活様式』でテレワークや徒歩、自転車の併用が広まれば利用客は元に戻らない」とみる。

 わたらせ渓谷鉄道(みどり市)は、4月の輸送人員が前年と比べ9割減った。収入の7割を観光客などの定期外旅客が占める観光路線だが、旅行需要の冷え込みで利用が激減している。

 18日まで県境をまたぐ観光を控えるとの県方針を踏まえ、4月から運行を見合わせているトロッコ列車は6月いっぱい運休を続ける。品川知一社長は「観光自粛が解かれた後に取り戻すしかない。運行維持に向けて沿線自治体に支援を求めていきたい」とした。

 国土交通省の調査で、全国の中小鉄道143社中、4月の輸送人員が前年同月比で「50%以上減」と答えた社は7割に上る。中小、三セク鉄道はもともと経営体力が弱く、群馬県の3社も自治体の支援を受ける。

 政府は2020年度第2次補正予算案に地方の路線バス、鉄道などを支援する関連経費138億円を計上。日本政策金融公庫による特別貸し付け、雇用調整助成金でも支援しているが、「融資は返済時に資金繰りを圧迫する」として、さらに思い切った補助を求める声が出ている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事