新しい生活様式 店舗の営業方針が様変わり 安心こそサービスに
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感染予防のため、ランニングマシーンは1台おきに使用不可となっている=グランクラブ高崎

 緊急事態宣言の対象地域から群馬県が外れてから1カ月。休業を余儀なくされた店舗も再開し、少しずつ日常を取り戻しつつある。ただ、新型コロナの感染防止策が前提となった「ウィズコロナ」の世界では、身体的距離の確保やマスクの着用など「新しい生活様式」に沿った対策が欠かせない。新しい環境に適応すべく、奮闘する企業を追った。

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 「使用不可」の張り紙が1台おきに掲示されたランニングマシーンで、マスクを着けた利用客が黙々と走り続ける。新型コロナウイルスの感染拡大後、トレーニングジムなどが入る複合施設、グランクラブ高崎(高崎市上大類町)で日常化した風景だ。館内ではマスク着用を求め、田村春樹支配人は「会員には不便をかける部分もあって申し訳ないが、感染予防を第一に考えている」と強調する。

 同施設は新型コロナの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受け、4月17日から1カ月間休業した。再開後はレッスンの定員を制限し、換気をするなど3密(密閉、密集、密接)をつくらないように工夫。消毒も徹底し「新しい生活様式」に対応した運営を心掛ける。

 会員は徐々に戻っているが、元の状態とは言えず、経営的には厳しい。それでも、田村支配人は「クラスターが発生すれば、全国のジムに迷惑が掛かる。できる限りの対策をしたい」と前を向いた。

■マニュアル
 新型コロナの影響はあらゆる業界に及び、外出や営業の自粛で経済活動が停滞。緊急事態宣言の解除後に事業を再開した企業も、感染リスクが高まる3密を避けるためのマニュアルを作り、企業活動の形は「コロナ以前」とは様変わりした。

 稼ぎ時の大型連休中に、群馬県から休業を要請された宿泊業界でも対策が進む。草津温泉の老舗、ホテル一井(草津町草津)は、4月14日から5月末まで休業。その間、接客や料理など各部門の責任者が週1回集まり、再開に向けたマニュアル作りに取り組んだ。

 営業再開後、ビュッフェ形式の料理は中止。宴会場に2メートル以上の間隔を空けてテーブルを置き、和懐石を提供する。以前は小まめな配膳でもてなしたが、一度に多くの料理を運ぶことで従業員と客の接触機会を減らすことにした。

■正解手探り
 マニュアルは県内の観光3団体が作った指針も参考にしたが、チェックイン時に非接触式体温計で宿泊客全員を検温するなど、指針以上の感染対策に取り組む。島田拓執行役員は「お客さまに安心して利用してもらうための対策が新しいサービスになっている」と指摘する。

 再開後初の週末だった今月6、7日の客室稼働率は5割程度まで回復。県内の宿泊施設に泊まった県民に1人1泊5000円を補助するキャンペーンが始まったことで問い合わせも増え、明るい兆しが見えた。

 ただ、どこまで稼働率を上げていいのか、首都圏の宿泊客をいつから積極的に迎え入れるべきかなど課題は尽きない。島田執行役員は「安全な環境の提供が宿泊施設の基本。どのやり方が正解かは手探りで見つけるしかない」と力を込めた。

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