SUBARU群馬製作所 2カ月ぶり操業再開 安堵と不安の声 さまざま
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通常操業を再開したスバル群馬製作所の本工場=22日午後4時半ごろ、太田市

 SUBARU(スバル、東京都渋谷区、中村知美社長)は22日、新型コロナウイルスの影響で縮小していた国内唯一の自動車製造拠点、群馬製作所(太田市、大泉町)の生産体制を通常に戻した。部品供給の安定化に加え、減少していた米国の新車需要の回復を見込み、約2カ月半ぶりに通常操業を再開した。

◎情勢踏まえ再開時期を1日から延期
 同製作所は部品供給の遅れと需要減を受け、4月9日に操業を停止。5月11日に再開したものの、従業員の勤務時間を制限するなど生産調整を続けていた。当初は6月1日から通常の体制に戻す予定だったが、世界情勢を踏まえ、時期を延期していた。

 同製作所は従来1日当たり約2300台の車両を生産しており、操業停止や生産調整の影響で7万台超の減産につながる見込み。米インディアナ州の工場も3月23日から5月10日まで停止したため、日米で計15万台超の減産となる見通し。

◎下請け企業「受注減った」「値下げ要請 多い」の声も
 SUBARU群馬製作所が22日、生産体制を通常に戻したことを受け、太田市に集積する下請け企業からは安堵あんどの声が上がった。一方、「事業が見直され、受注が減った」「値下げ要請が多い」などと先行きに不安を抱える企業もあった。

 「ようやく忙しくなりそうだ」。市内の内装部品会社の社長は「通常操業に備えて従業員の出勤を元に戻した」と前を見据える。車体部品製造会社の幹部は「さらなる需要増加に備えて、社内体制も見直さないといけない」と白い歯を見せた。

 清水聖義市長は「工場の操業停止時に『街が死ぬ』とコメントしたが、通常操業の再開で生き返る。復活の兆し」と歓迎。太田商工会議所の加藤正己会頭は「停止期間中、新型コロナウイルスの感染防止に努めながら雇用を維持していた会員企業に敬意を表したい」と述べた。

 群馬製作所が稼働を縮小していた期間に、経営を見直した企業もあった。不透明な先行きに備えて事業の効率化を進めた取引先に、受注を減らされた業者もいた。金属加工会社の社長は「一部の部品の注文を失い、昨年の売り上げには戻らない」と嘆く。別の部品会社は「コストダウンの要請が再三ある」と不安を口にする。

 帝国データバンク太田支店の田原靖教支店長は「スバルが通常操業に戻ったことは、群馬県経済にとって安心材料。ただし大規模工場だけに関連企業への波紋は大きく、マイナス要素も含めて注視していきたい」と警戒した。

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