老舗あめ 職人技を継ぐ 高崎・小見製菓 新社長の相川さん名乗り
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小見さん(左)の指導を受けながらあめ作りに励む相川さん

 100年以上続く老舗の技術を守れ―。昔ながらの製法であめを作る小見製菓(高崎市江木町)の新社長に、近くの食品メーカーに勤める相川賀保さん(36)が就任した。先代社長、小見章雄さん(71)から職人技を少しずつ受け継ぎ、新たな一歩を踏み出した。

◎業務掛け持ち微妙なあんばい学ぶ
 「あと2回でよろしく」。水盤という冷たい台の上で煮詰めた水あめや砂糖を何度も折り畳む。あめ全体を均一に冷やせるかどうかで仕上がりが左右される重要な工程だ。相川さんは小見さんから微妙なあんばいを教わり、重さ20キロ以上のあめを練り込む。

 昨年12月に相川さんが食品衛生指導員として同社を訪問したのが、2人の出会いだった。体力の低下などから廃業を決めた小見さんが機械を手放し始めた頃だった。小見さんの職人技を反映させた年季の入った機械を前に「まだ動くのに、なくしてしまうのは惜しい」と跡取りに名乗りを上げた。

 同社は1918年に小見さんの祖父が創業し、ニッキあめや黒あめなど伝統的な菓子を製造、販売してきた。以前は市内だけであめ製造の会社が10社以上あったというが、現在は同社のみだという。企業買収での継続も考えたが、創業100年を区切りに畳もうとしていた。

 5月1日付で正式に社長を交代した。相川さんは勤務する会社と小見製菓が同じ町内にあり、業務を掛け持ちしている。引退した小見さんからあめ作りを学び、技術を磨く。

 卸売業者だけでなく個人客からも注文が入るたびに、小見製菓は愛されていると感じるという相川さん。新社長となった今、伝統を受け継ぐ地元の産業としての価値を高め、新たな販路をつくれないかと考える。小見さんに支えてもらいながら「まずは売り上げを増やし、少しずつ頑張りたい」と意気込む。

◎群馬県内企業 17%「後継者不在」
 群馬経済研究所(前橋市)が2018年に実施した事業承継動向調査によると、県内企業263社のうち16.7%(44社)が「後継者不在」と回答した。73.5%が経営上の課題として捉えているにもかかわらず、「(承継の)計画があり、進めている」と応えた企業は36.4%にとどまった。

 同研究所は「後継者がいないことで廃業する企業が増えれば、技術やノウハウ、雇用が失われる。地域経済の活力を維持するためには円滑な事業承継が重要」としている。

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