《コロナ現場発》第2波備え急ピッチ増産 感染症対策機器メーカー
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医療現場などで感染予防のため需要が急拡大している空気清浄器=伊勢崎市の日本エアーテック群馬工場

 新型コロナウイルスにより、医療や介護の現場では空気清浄器やバイオハザード(生物災害)を防ぐ安全装置の需要が急増している。群馬県伊勢崎市に工場を構えるメーカーは、普段の6~8倍の増産体制で全国の医療機関に感染症対策機器を供給する。感染の第2波に備え、医療や介護以外にもさまざまな分野で「新しい生活様式」への対応を支えている。

◎受注9割以上が医療機関から
 「『なるべく早くほしい』との声も多い。医療現場の逼迫ひっぱく状況が伝わってくる」。2日、伊勢崎市下触町の日本エアーテック群馬工場で、営業2部の小林拓矢係長(29)は新型コロナによる需要増をこう説明した。作業場では、マスク姿の従業員が空気清浄器を1台1台丁寧に組み立てていた。

 同工場では、群馬県内の基幹病院でも使用されているパーティション型空気清浄器や、PCR検査の検体を扱うための安全キャビネットを製造している。特に空気清浄器の引き合いは強く、増産を重ねて6月末までの4カ月間で3000台超を売り上げた。通常の7倍を超える水準だ。

 9割以上が医療機関からの受注。ベッドを覆うビニールカーテンと組み合わせて、感染者を一時的に隔離するためのブースとしても使われるという。

 新型コロナによる社会活動の停滞を反映し、同社では輸出や電子関連の製造企業からの受注は低迷したまま。一方、感染防止策を強化するため、介護事業所からの受注は急増しているという。小林係長は「感染予防への意識が高まり、取引先の裾野が広がっている」と話す。

 あらゆる分野で感染予防策が模索される中、今後は多人数が集まるイベントなどでの需要も高まるとみている。既にリース会社との打ち合わせも始め、ウィズコロナ時代の新たな需要が視野に入る。

 渡辺一郎工場長(54)は「医療現場や企業などの役に立っているという自負が、従業員のモチベーションになっている。社会の変化を下支えしたい」と力を込めた。(金子雄飛)

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