コロナ影響で製造深刻 今期予想「未定」相次ぐ 群馬県関係上場企業決算
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 15日に出そろった群馬県関係上場企業35社の2020年3月期決算は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でサプライチェーン(部品の供給・調達網)が寸断されるなどした製造で、減収や減益が目立った。また、国内での感染が本格化した今年4月以降の状況が反映される21年3月期の業績予想については、24社が公表を見送る異例の事態となった。

群馬県関係35社の2020年3月期決算の詳細はこちら

 群馬県の主力の自動車関連は、早い段階で感染が広がった中国市場の減速などが響いた。部品製造の小倉クラッチは中国向け販売が低迷し、純利益が前期比39.3%減の4億8700万円と2期連続の減益。日野自動車は海外トラック・バスの売上台数が18.4%減り、純利益が42.7%減の314億6700万円で3期ぶりの減益となった。

SUBARU(スバル)は、北米市場が好調で純利益が7.9%増の1525億円で4期ぶりの増益。ただ、3月下旬以降に米国工場と群馬製作所(太田市、大泉町)で操業停止や生産調整をしたため、4、5月の世界生産台数は前年同期比で8割以上減った。

 地銀2行はそろって減益となった。群馬銀行は、感染拡大による金融市場の混乱で有価証券利息配当金が前期比で67億円減少したことなどが響き、純利益は14.6%減の179億1800万円。東和銀行も有価証券評価損益が85億円減り、純利益は39.6%減の32億5600万円だった。

 消費増税前の駆け込み需要で、小売りは堅調に推移した。ヤマダ電機は純利益が67.5%増の246億500万円。プライベートブランド(PB)が好調のワークマンは、純利益が36.3%増の133億6900万円で、9期連続で過去最高益を更新した。一方、臨時休業や外出自粛による来店客数の減少など、今期の業績への不安要素もある。

 半導体や情報通信関係は、好決算が目立った。信越化学工業は純利益が1.6%増の3140億2700万円、両毛システムズは2倍の8億6200万円で、ともに過去最高。感染防止対策でテレワークやオンライン授業の導入が進み、この先も需要増が見込まれている。

 新型コロナの影響は、決算の作成作業にも及んだ。外出自粛や移動制限により多くの企業で業績の把握が滞り、決算発表を延期する企業が相次いだ。

 帝国データバンク群馬支店の西村泰典支店長は「消費増税やコロナ禍の影響を最小限に抑え、うまくまとめた印象。新型コロナと共存する『新しい日常』にビジネスチャンスを見いだしていくことが求められる」と分析した。

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