「Go To」東京除外 キャンセル相次ぐ 観光支援効果 限定的に
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 国の観光支援事業「Go To トラベル」の対象から東京都民や東京発着の旅行などが除外され、群馬県内の宿泊施設には17日、予約キャンセルが相次ぎ、影響が出始めた。

 伊香保温泉のホテルの担当者は「今日だけでキャンセルは100件。観光ムードが盛り上がり始めていただけに、非常に残念」と肩を落とす。4、5月を休業したが、県のキャンペーンの効果もあり、徐々に客足が戻ってきていた。各地での感染者増加に伴い、東京以外の予約客のキャンセルも出始めているという。

 みなかみ町の旅館でも17日、10人程度の団体も含めて約50件のキャンセルがあった。23日からの連休のキャンセルが目立ち、「群馬は東京からの観光客が多数を占める。この先が心配」と警戒する。同町のホテルも東京からの観光客を中心にキャンセルが出始めている。支配人は「今後は移動の少ないマイクロツーリズムを進めるしかないのではないか」と話した。

 一方、草津町のホテルではキャンセルは数件だといい、担当者は「思ったより少なかった」と安堵あんどする。それでも「草津は東京からの観光客の割合が高い。今後、予約が入らなくなるのではないか」と懸念した。

◎感染拡大心配だが… 期待と不安 交錯
 22日開始の国の観光支援事業「Go To トラベル」を巡り、県民や県内観光関係者からは17日、期待や不安の声が上がった。新型コロナウイルスの影響で打撃を受ける観光地には誘客増に歓迎ムードが強い一方、往来が後押しされることで感染拡大への危惧も。東京を発着する旅行や東京都民が対象から除外され、高齢者や若者の団体利用の自粛が求められる点には「観光支援効果が限定的になる」との声も聞かれた。

 東京圏を中心に全国から観光客が訪れる草津町。今回の事業について、草津温泉観光協会の担当者は「温泉街の回復のためにはありがたい」と歓迎する。東京を中心に埼玉、神奈川両県などでも感染者が増加傾向にあるが、「(感染拡大地域からの観光客に)来ないでくださいとは言えない。感染防止策に関する情報を発信し、観光客に協力を呼び掛けたい」とする。

 伊香保温泉旅館協同組合(渋川市)の高橋秀樹理事長は「(感染拡大により)都民を対象から外すのは苦肉の策なのだろうが、(政策的な)魅力が薄れてしまう」と懸念を示す。8月以降の予約数は例年の5割程度にとどまっているとして「事業スタートとともに県外からの客足が伸びることを期待したい」と話した。

 みなかみ町でも夏の予約は例年の3~4割程度にとどまる。今月末までの県の県民宿泊支援事業に続く観光振興策として期待は高いが、町観光協会の担当者は「感染防止対策をしても防ぎきれない可能性もある。万が一、感染があれば大きな痛手になる」と複雑な表情だ。四万温泉協会の担当者は22日の事業開始について、「割引の対象など詳しい情報がなく、旅館も困惑している。感染防止対策で人手が割かれる中、対応が間に合うか分からない」と不安をのぞかせた。

 県民の受け止めもさまざまだ。家族で毎年、東京ディズニーランドを訪れる高崎市の男性会社員(49)は「お得に行けるのならぜひ利用したい。マスク着用や手洗い、3密を避けるなどできることはしたい」と話す。乳幼児2人を育てる太田市の女性会社員(25)も「半額で行けるなら利用してみたい」としつつ、「感染への不安があるので実際に利用するかは分からない」とした。

 これに対し、吉岡町の40代男性会社員は感染者が増えている地域などからの観光客が増える可能性があるとして、「観光業が大変なのも分かるが、人命が最優先ではないか。(都民除外など)中途半端に実施するのであれば、全国一斉に中止か延期した方がいい」と指摘した。

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