《変革 山本県政1年》産業振興 コロナ禍で状況一変
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だるまを背景に写真を撮る微博のインフルエンサーたち。県が相次いで県内観光地に招いた=昨年9月

 群馬県GDP・県民所得の拡大―。山本一太知事は昨年7月の選挙で訴えた政策集などで、五つある重点政策の第一に県内産業・企業の競争力強化や高付加価値な農林水産業への転換を掲げた。就任後、目立ったのが中国からのインバウンド誘致など観光振興だ。

■中国に照準

 中国最大級の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」で閲覧者が多いインフルエンサーたちを招き、母国に群馬県の魅力を発信してもらうなど微博との関係構築を進めた。昨年12月、群馬県のPRサイト「バーチャルぐんま」開設などアジア初の相互協力の覚書を微博と締結した際は、都内での記者会見で「中国からの観光客が2倍、3倍ぐらい増える状況を目指す」と意欲を見せた。

 県によると、昨年県内の宿泊施設(従業員10人以上)に泊まった中国人は前年から14%増と、台湾や韓国が減る中で上向いた。

 だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請や外出自粛で状況が一変した。県内四大温泉地の4、5月の宿泊者数は前年から8~9割減り、1月に2万4000人いた県内の外国人宿泊者は4月はわずか470人に落ち込んだ。Gメッセ群馬も利用予約の4割以上がキャンセルとなった。

■宿泊補助に評価

 これに対し、国の制度に県が上乗せする形で7年間を実質無利子とする制度融資枠を2000億円分確保(後に増額)して資金繰りを支援したり、県内宿泊施設に県民が泊まると5000円を割り引くキャンペーンを創設したりするなど対策を重ねた。

 特に6、7月に30万人泊分という大きい規模で行った宿泊キャンペーンは「県民の皆さんのおかげで、なんとか前年の半分を確保できた。もしこれがなければ大変な状況だった」(四万温泉協会)と評価を集める。

 ただ、山本知事自身が「経済への打撃は想像以上に深刻」と繰り返し強調するように戦略の練り直しは必至だ。東京をはじめ全国各地で感染が拡大しつつあり、予断を許さない。巻き返しに向け、難しいかじ取りが求められている。(おわり)

 ※報道部・西山健太郎が担当しました。

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