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群馬県桐生市に本社を置く自動車電装部品製造のミツバ(北田勝義社長)は24日、グループ全体で500人規模となる希望退職者の募集を始めた。同社から350人、子会社から150人を募る想定。人員整理を進め、新型コロナウイルスの影響で弱体化した経営の立て直しを図る。
◎連結従業員数は全世界で2万8000人
ミツバと国内連結子会社に勤める40歳以上、62歳以下の社員、契約社員が対象。9月11日まで募り、10月31日付で退職する。希望退職者には退職金を割り増しして支給するほか、外部業者による再就職支援サービスを提供する。
ミツバの従業員数は約4000人で、連結従業員数は全世界で約2万8000人。そのうち対象者はミツバに2200人、子会社に500人いるという。同社で350人、金属部品製造のタツミ(栃木県足利市)から30人の退職者を想定。このほか輸送機器関連の6社から120人を募るが、社名や人数の割合は明らかにしていない。
ミツバの広報担当者は「希望者が想定通り集まるかは不透明だが、将来を見据えて再建計画を進めていきたい」としている。
◎「疑心暗鬼」/「成功を願う」… 地元・桐生に広がる不安と期待
自動車電装部品製造のミツバが希望退職者の募集を始めた24日、同社社員が不安を吐露する一方、下請け会社からは再建計画に期待する声が上がった。グループ全体で500人規模となる大規模な構造改革が地域経済に与える影響は大きく、関係者が動向を注視している。
同社社員は不安を感じている。本社勤務の男性社員(46)は「自分を含めて辞めたいという人を知らないが、今のままの待遇や給料が維持されるか、誰もが疑心暗鬼になっている」と嘆く。別の男性社員(44)は「構造改革で人員が減ったときに1人当たりの仕事量が増えるのではないか」と声を落とした。
ミツバ労働組合の新井康紀委員長は「先週から組合員の個別面談を始めた。しっかりと声を聞き取って調整したい」としている。
構造改革について、下請け会社にはさまざまな情報が飛び交う。ミツバに金属部品を納める太田市内の企業経営者は「新型コロナウイルスの影響で製造業の求人が少ない中、500人もの退職者は集まらないのではないか」と分析する。一方、電子部品を扱う伊勢崎市内の下請け会社社長は「再就職先を探しているミツバ社員を複数人知っている」と明かす。別の会社の幹部の元には、ミツバ社員から採用面接の申し入れがあったという。
再建計画に期待する企業も少なくない。金属部品を受注する桐生市内の事業者は「一時期落ち込んでいた生産が戻りつつある。改革成功を願っている」。別の金属部品会社の経営者は「グループ会社への依存度が高い。なんとか復活してもらいたい」と述べた。
東毛地域を活動エリアとする帝国データバンク太田支店の田原靖教支店長は「雇用整理は大変な仕事だが、再建には不可欠。地域経済のために早期の復活を期待したい」。桐生商工会議所の石原雄二専務理事は「退職者募集は、さらなる飛躍に向けた準備と捉えている。冷静に見守りたい」と話した。