県民会館「廃止検討」 フラワーパーク「民間へ」 県が中間報告
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県有施設見直しの中間報告で「廃止を検討」との方向性が示された県民会館
 

 大規模改修が必要だったり、利用者が減少したりしている県有10施設の見直しで、群馬県は7日、前橋市のベイシア文化ホール(県民会館)を「県有施設としては廃止を検討」、同市のカネコ種苗ぐんまフラワーパークを「民間への移管などを検討」などとする中間報告を県議会行財政改革特別委員会に示した。県議会の意見や関係する自治体、団体などとの協議を踏まえて内容を検討し、年度内に最終的な方向性をまとめる。県民に長らく親しまれた施設も対象に含まれており、広く理解の得られる議論が今後求められそうだ。

 県民会館については県内各市に高崎芸術劇場や桐生市市民文化会館といった大型ホールがあり、本年度はGメッセ群馬も開所したことから、「多大な改修費用をかけてまで維持する必要性は低い」とした。

 同館は1971年に「群馬県文化の殿堂」として設立されたが、老朽化が進んでいる。県は当初、改修に向けて実施設計などを行い、改修費として28億5000万円を見込んでいたが、見直し対象になったことで本年度当初予算への計上を見送っていた。

 一方、同じエリアで見直し対象となった県立図書館は「必要な施設だが、市立図書館とのサービス重複は解消すべき」とした。他県で県と市の図書館を合築した例なども参考に、県民会館の扱いを含めて前橋市などと協議する方針だ。

 ぐんまフラワーパークは施設の老朽化に加え、県内に同様の民間施設が増えて年間入園者が92年の開園時と比べ4分の1程度に減少していることなどに触れ「(県有施設として)維持する必要性は低い」との見方を示した。

 東京・銀座のぐんま総合情報センター(ぐんまちゃん家)については(1)インターネット通販の拡大に伴い、東京に常設の物販機能を置く必要性が低下(2)コロナ禍の影響で今後の来場者増を見込むのが難しい―などの見通しを挙げ、「県の事務所として維持する必要性は低い」と指摘した。ただ、現施設の契約が2023年3月まで残っているため、「今契約期間中に方向性を検討」とするにとどめた。

 県は大学教授や税理士、公認会計士ら7人でつくる委員会を設置し、2月に見直し対象の10施設を公表した。中間報告は委員会の現地調査や県の関係部署、委員会からの意見聴取などをもとに、県が「大まかな方向性」としてまとめた。

◎「議論過程見えぬ」議会側に疑問の声

 「これだけ重大な方向を決めるのに議論のプロセスが見えない」「丁寧に物事を進めてほしい」―。県が10施設の見直しに関する中間報告を示した7日の特別委員会。議会側から注文を付ける声が上がった。

 見直し対象は「群馬県文化の殿堂」として半世紀近くの歴史を誇る県民会館をはじめ県民に親しまれてきた施設が含まれる。だが、外部有識者による委員会は委員名を含めて非公開で進められ、県民からの意見公募(パブリックコメント)も「運営要綱上、対象になっていない」(総務課)と消極的だったからだ。

 県側は「あくまで方向性で結論ではない」(同)と強調したが、議員からは「県民の意見を聞くことをおろそかにしている印象を受ける」との声も漏れた。

 高崎経済大の岩崎忠教授(地方自治論)は「見直しは必要だが、どの方向性になるにしても県民の声に丁寧に耳を傾ける必要があるだろう」と強調。群馬大の小竹裕人准教授(公共政策論)も「県民が納得できるように議論の過程や根拠を明確にするべきだ」と指摘している。

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