金属加工をデジタル化 3Dプリンター活用で共同組織設立へ
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 フランスのタイヤ大手、ミシュランの関連企業が開発した高性能の金属用3Dプリンターを活用して産業振興に取り組む共同組織の設立に向け、群馬県内の企業などが準備を進めていることが11日までに、分かった。3Dプリンターを各社が利用可能な環境を整え、自動車や航空機、医療などの分野で需要が見込まれる精密で高品質な部品を試作、製造できるようにする。ミシュラングループの持つ加工法や教育のノウハウを共有して人材を育成し、県内企業の競争力強化につなげる。

 県内の金属加工企業のほか、県や、ミシュランが主導する国際都市ネットワークに参加する前橋市、日本貿易振興機構(ジェトロ)群馬、日本ミシュランタイヤの関係者らが8日に県庁で開いた会合で、年内に設置準備事務局を発足させる方針を確認。来夏をめどに共同組織を立ち上げ、2022年の利用開始を目指す。

 デジタルデータを基に金属粉末の層を積み重ねて造形するミシュラン関連会社製の3Dプリンターを使うことで、これまで困難だった複雑な形状の部品を作りやすくなる。現地では既に自動車や飛行機の部品だけでなく、チタン製人工心臓の開発にも使われており、高い技術が求められる分野での活用が期待される。

 機器が高額なため、特に中小企業にとっては単体での購入が難しいのが現状だが、今後の世界的潮流として避けられない「ものづくりのデジタル化」に対応するため、企業を募る共同組織の形態で各社が利用できる環境を整える。

 関係者によると、県内への導入を検討している金属用3Dプリンターは1台で1億円超とみられる。太田市内にある日本ミシュランタイヤの研究拠点などを配置候補地としている。参加する企業はプリンターの利用が可能になるほか、ミシュラン社が持つ加工や教育などに関するノウハウの提供を受けられる予定。

 一連の取り組みは、国際的な都市間連携団体「ミシュラン都市の国際ネットワーク」に前橋市が昨年参加したことがきっかけ。山本龍市長らがフランスのミシュラングループ企業を視察した際、3Dプリンターの技術力の高さと同社が日本への進出を検討していることを聞き、市が関係機関への橋渡し役を務めた。

 プリンター購入費を含む経費は、参加企業からの会費や、国、自治体からの補助金などで賄うことを検討していく。

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