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群馬県の伊香保温泉の老舗、岸権旅館(渋川市伊香保町伊香保)が、コンサルティング会社の社員を社長に据えた新会社を設立し、事業承継したことが13日、関係者への取材で分かった。景気低迷などによる業績悪化が背景にあるが、440年以上に及ぶ旅館の歴史と伝統を守る狙いがある。外部の知見を加えて戦略を見直し、経営の立て直しを急ぐ。
◎3年程度で立て直し計画 旧会社が9月に特別清算
旅館やホテルの事業再生を手掛けるクロスワンコンサルティング(東京都中央区)の清水尚之ターンアラウンドマネージャー(63)を社長とする新会社を今年1月に設立し、経営を引き継いだ。20代目の岸権三郎前社長(72)は、代表権のない会長に就いた。
事業承継について、岸前社長が同社に依頼した。3年程度で経営を立て直し、長女で取締役の岸由起子さん(40)に引き継ぐ計画という。
清水社長は、都内のホテルで総支配人を務めた経験がある。経営戦略の策定や資金繰り対策など、ホテル運営の一線で培った知見を生かし、老舗旅館に新しい風を吹き込む。旅行代理店を介さずに直接予約する客が増えており、予約サイトへの掲載や自社サイトの開発に力を入れる。
旧会社については今年9月下旬、倒産手続きの一つである特別清算を東京地裁に申し立てた。
同旅館は1576(天正4)年創業で、石段街の中腹に位置している。「千明仁泉亭」や「ホテル木暮」と並び、伊香保温泉の温泉街が形成された当初から続く老舗の一つ。客室は70室。
清水社長は「発展的な事業承継であり、歴史や文化を引き継ぎつつ、市場環境の変化に合わせて弱い部分を強化する。業績を上向かせた後に経営をお返ししたい」と話している。