大塚家具 久美子社長が辞任 後任はヤマダHD・三嶋氏が兼務
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 ヤマダホールディングス(HD)傘下で経営再建中の大塚家具(東京都江東区)は28日、創業者の娘の大塚久美子社長が12月1日付で辞任すると発表した。これまでの業績悪化の責任を明確にするため、本人から申し出があり、28日の取締役会で受理した。後任は大塚家具会長を務めるヤマダHDの三嶋恒夫社長が兼務する。新体制で家具と家電の販売による相乗効果を高め、経営立て直しを急ぐ。

 大塚家具が同日発表した2021年4月期の単体業績予想では、売上高が304億2000万円、純損失が28億9000万円になると見込んだ。赤字は5期連続。決算期を変更したため単純な比較はできないが、ヤマダHDとの連携で家具や家電販売が好調に推移し、赤字幅は縮小する見通し。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で停滞しているものの物流面の改革も進めており、大塚家具は22年4月期について「黒字化への道筋がついた」としている。

 久美子氏の辞任について、同社は「業績悪化の責任を真摯しんしに捉えた結果。今以上のスピード感を持って業績回復に取り組むために、ヤマダHDとの一層の連携が必要」とした。

 大塚家具を巡っては、久美子氏と父親の勝久氏が経営権を争い、企業イメージの悪化を招いた経緯がある。19年12月にヤマダ電機(現ヤマダHD)の傘下に入り、生活様式に合わせて、家具と家電を提案する販売を推し進めている。

◎ヤマダが上方修正 新生活様式関連の需要増
 家電量販最大手のヤマダホールディングス(HD、高崎市栄町、三嶋恒夫社長)は28日、2021年3月期の連結業績予想について、売上高を 従来予想の1兆6600億円から1兆7190億円へ、純利益を 247億円から320億円へそれぞれ引き上げた。新型コロナウイルスの 影響により「新しい生活様式」に対応した関連商品の需要が高まった。

 売上高が1兆7000億円台に乗ると7期ぶり、純利益300億円台は4期ぶりとなる。営業利益は615億円から752億円へ、経常利益は672億円から810億円へそれぞれ引き上げた。

 在庫を極力持たずに必要な数量で売り切るセルアウトを重視した販売戦略への転換や、インターネット販売の強化など中期的な取り組みが奏功している。

◎「お家騒動」でイメージ悪化…大塚家具
 大塚家具の大塚久美子社長が辞任する。創業者の父勝久氏と経営権を巡って激しく対立する「お家騒動」を繰り広げ、企業イメージの悪化を招いた。久美子氏は争いを制した後も社長を続投したが、業績の抜本的な改善は果たせなかった。

 大塚家具は勝久氏が1969年に創業した。勝久氏は2009年に久美子氏にいったん社長を任せ、会長に退いた。だが14年に久美子社長を解任し、自身が社長を兼務。15年に久美子氏が社長に復帰すると、高級家具を扱う戦略を巡り対立が表面化し、経営が混乱した。

 親子の対立は幹部社員も巻き込み、15年3月の株主総会で決着した。久美子氏の社長続投が決まり、勝久氏は会長を退任。勝久氏は同年7月に大塚家具に対抗する形で高級家具販売の新会社「匠大塚」を設立した。19年4月には久美子氏が勝久氏と面会し、和解を申し入れる場面もあった。

 久美子氏は続投後、勝久氏が築き上げた富裕層中心の販売モデルを転換。比較的安価な商品を充実させて脱高級路線を進めた。だが、親子対立によるイメージの低下に加え、ニトリなど低価格品を販売する専門店の台頭もあり、業績低迷から抜け出せなかった。

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