公営住宅の保証人不要 群馬県内は3割超 支援や条件緩和広がる
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 身寄りのない高齢者らが公営住宅に入居する際の妨げとならないよう、群馬県内の自治体で入居時に連帯保証人を不要とする動きが広がっている。上毛新聞の集計では、公営住宅を持つ群馬県と34市町村のうち、3割超となる県と10市町村で保証人が不要。他にも2市村が年度内に同様の制度改正を予定する。一方、家賃滞納対策や緊急連絡先の把握といった観点から制度を残す自治体もある。滞納などの諸課題の解決に向け、専門家は保証人規定の廃止だけでなく、入居者の支援体制の充実も求めている。

◎今年4月の民法改正を見据え18年から国土交通省が促す
 保証人を不要とするのは、群馬県と、前橋、桐生、伊勢崎、太田、渋川、みどり、吉岡、長野原、川場、みなかみの10市町村。このうち既に不要だった川場村以外は本年度、保証人が不要となるよう制度を変えた。

 高崎市は市議会12月定例会に同様の条例改正を提案する。榛東村も年度内に変更予定。同市には入居希望者から「身寄りがなく、保証人を用意するのが難しい」などの声が寄せられていたという。

 保証人は廃止しないが、要件を緩和した自治体もある。藤岡市は4月から、従来2人必要だった連帯保証人を1人に変更。安中市は市内在住だった保証人の要件を県内に広げた。他の自治体でも高齢や障害、所得など条件によって免除される場合がある。

 町村部は制度を残すところが多く、「家賃滞納時の徴収や緊急時を考えると必要」(甘楽町、大泉町など)といった声が目立つ。

 保証人規定を廃止する動きが広がったのは、4月に施行された改正民法で、保証人が支払うべき額が示されるようになり、引き受け手が減る可能性が生じたことも一因。身寄りのない高齢者の増加が見込まれる中、対応が遅れれば行き場を失うケースが増えかねないことから、国土交通省が2018年、改正法の施行を見据え、自治体に保証人規定の削除を促していた。

 国交省の調査によると、昨年12月時点で保証人を不要とする自治体は全国で2割以下だった。社会福祉に詳しい高崎健康福祉大の金井敏教授は「高齢者にとって保証人の確保はハードルが高い。規定の廃止だけでなく、行政が関わり、安否確認や支援など支え合いの仕組みを地域につくる必要がある」と話している。

 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、世帯主が65歳以上の高齢者世帯は40年に2200万世帯を超え、うち独居が占める割合は全都道府県で30%を超える。民間に比べ家賃の安い公営住宅は、こうした高齢者や低所得者らの受け皿となるケースが多い。

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