群馬イノベーションアワード 高崎の渡部さんの事業プランに大賞
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独自技術で開発した低価格ハイレゾイヤホンを紹介する渡部さん=ヤマダグリーンドーム前橋(アプリ「上毛新聞AR」で動画を見ることができます)
大賞を受賞し、山本一太知事(左)から表彰を受ける渡部さん

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2020」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)のファイナルステージが5日、前橋市のヤマダグリーンドーム前橋で開かれた。最終審査に臨んだ15組が社会問題の解決につながる独創的な事業プランを発表。スタートアップ部門でエントリーし、独自技術で開発した低価格で高品質な「ハイレゾイヤホン」を紹介したオーツェイド(高崎市)の渡部嘉之さん(57)が大賞に輝いた。




◎15組が独創プラン発表
 8年目の今回は過去最多の606件の応募があった。1、2次審査を通過した高校生から社会人までのファイナリストが、独自のビジネスプランや新商品、新サービスなどを紹介。慶応大の国領二郎教授ら7人が審査した。

 ビジネスプラン部門では高校生の部で、高崎経済大附属高1年の金子茉桜さん(15)、大学生・専門学校生の部で慶応大1年の高橋史好ふみこさん(20)、一般の部でコスモス(前橋市)の大津留亮太さん(39)、スタートアップ部門でLicca(みなかみ町)の長壁総一郎さん(32)、イノベーション部門ではダイコー(太田市)の斎藤胡依さん(50)がそれぞれ入賞した。関東経済産業局長賞は大津留さんがダブル受賞した。

 会場では、東京農大二高吹奏楽部による華やかなパフォーマンスが彩りを添えたほか、食材宅配の3ブランドを展開する「オイシックス・ラ・大地」(東京都)の高島宏平社長が「Oisix(オイシックス) 起業からの学び」と題して講演した。

 新型コロナウイルス感染症予防のため、来場者全員の体温をチェックし、健康状態申告書の提出を要請。観覧席は間隔を空け、登壇者もマウスシールドをするなど細心の注意を払った。

◎圧電セラミックを活用 安価なハイレゾ 海外へ…大賞の渡部さん
 「創業時から付いてきてくれた仲間や、製品を購入し、応援してくれたお客さまの気持ちに応えられてうれしい」。大賞が発表されるとにこやかな表情を浮かべ、観客席に向かってゆっくりと一礼した。

 高崎市でイヤホンを製造販売している。音域が広く高音質な音楽規格「ハイレゾ」用のイヤホンを安価に提供できる製造技術を発表し、国内での評価や販売実績、世界的な需要の伸びを見込んだ海外戦略を紹介した。

 電圧を加えると動いたり、変形したりする安価な素材「圧電セラミック」を独自技術でイヤホンの構造に組み込むことにより、高品質、低価格な商品の量産に成功したという開発経緯を発表。インターネット販売の伸長状況や、メディアに取り上げられた事例も説明した。

 スマートフォン市場の裾野の拡大によって、世界的にイヤホン需要が伸びていると強調。米国、欧州、アジア圏など世界各国で販売する計画もアピールした。

 電気信号によって振動が生じる圧電セラミックの特徴を分かりやすく説明した上で、メガネやマスクなど身の回りの生活用品に技術を応用できる可能性も示した。

 受賞をきっかけに、他業種と協力した新製品の開発を目指す。圧電セラミックに関する技術系コンサルティング業務も請け負う。「さまざまな分野に応用することで、圧電セラミックの新しい価値を提案したい」。2016年の創業時からの夢を追い続ける。

 【お知らせ】アプリ「上毛新聞AR」をインストールしたスマホやタブレットをこの写真にかざすと動画を見ることができます。

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