スズラン 高崎店と周辺一体を再開発へ 新店舗やマンション建設
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 群馬県の百貨店、スズラン(前橋市本町、渋沢彰一社長)が来年度にも、高崎店(高崎市宮元町)の建て替えに合わせ周辺の再開発事業に乗り出すことが8日、分かった。不動産デベロッパーや高崎市、地元商店街と連携してマンション建設を含めた開発を進めて周辺のにぎわい創出につなげる。新型コロナウイルス感染症による逆風を受け、地方百貨店が厳しい状況にある中、地元と共存するモデルケースを目指す。

◎事業費見込み150億円 5カ年計画
 スズランによると、来年度からの5年間の計画で、開発面積は約8500平方メートル。現店舗は取り壊してマンションを建設、新店舗は高崎中部名店街(さやもーる)沿いに新築する。新店舗の延べ床面積は現店舗より縮小する見通し。

 正面玄関に大きな屋根を設けて雨天時でもイベントができる造りにする。併設されている既存の立体駐車場を改修するほか、新店舗を含めた各施設をデッキでつないで空中庭園も設置する。マンションは地上20階程度、200戸以上と想定する。

 事業費は150億円規模と見込む。年明けにも市へ事業承認を申請する。新店舗は2023年秋に開設し、店舗の休業は短期間に抑える。マンションは26年春ごろの入居開始を目指す。

 再開発の予定地はJR高崎駅西口から約650メートル。近くに群馬音楽センターやもてなし広場などがある。周辺商店街とは、テナント誘致で協力する。国や自治体の支援が受けられる補助事業を活用する方針で、市とも協議を進めている。

 全国の地方百貨店を巡っては、客層の高齢化やネット通販の台頭といった環境の変化などから近年は売り上げの減少が目立っており、山形県では唯一の老舗百貨店が1月に倒産。スズランは20年8月期の売上高が124億円と前期比約18%減。コロナ禍もあって厳しい状況に置かれている。

 渋沢社長は再開発の計画について、22年に迎える創業70周年に向けた節目の事業であるとし、「地方百貨店のモデルケースとなるよう取り組んでいく」と話している。

 富岡賢治市長は「住民に親しまれる地元の百貨店を支援するのは自治体の責務。取引先が多く地元経済への影響も大きい。再開発は市街地発展のプラスになる」と歓迎している。

 【スズラン】 1952年、前橋市千代田町にスズラン衣料品店として創業。68年に高崎店をオープンした。90年代には伊勢崎、沼田両市内にギフトショップを出店した。現在は前橋、高崎の両店と、高崎市内の物流センターを有する。高崎店はオープン後、増床。2013年の法改正で義務化された耐震診断で、震度6強以上の大規模地震に対して倒壊、崩壊する危険性が高いという結果が出ていた。

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