新型コロナ 苦境の高速バス 利用を 「接触少なく快適」呼び掛け
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、高速バス需要が冷え込んでいる。群馬県内高速路線の4~10月の運送収入は、前年同期と比べ8割減った。路線バスなどと比べて運行コストがかさむ上、公的な支援が薄く、事業者への打撃は大きい。国土交通省群馬運輸支局や県内の運行会社は乗客が少ない状況を逆手に取り、「人との接触機会が少なく、快適に移動できる」として、不要不急に当たらない出張などの移動手段として利用を呼び掛けている。

◎オゾン発生器 稼働、換気や除菌を徹底…
 群馬県バス協会によると、全面運休や減便を行う路線もあるが、現在も半数は例年通りに運行している。運送収入は、緊急事態宣言が出された4、5月が前年同期比92.3%減。6月以降も7割以上の減少が続き、10月は前年同月比65.5%減だった。帰省や行楽による需要が見込まれた年末年始も、感染再拡大や、国の観光支援事業「Go To トラベル」の全国一時停止の影響などで予約が伸び悩んでいるという。

 高速バスは大型のエンジンを積み、一度に走行する距離が長い。このため燃料を多く消費し、車両の消耗が早いことなどからランニングコストが高いという。路線によっては運転手2人の乗務が必要になり、人件費もかかる。一方で、国や自治体が赤字分を補填ほてんする路線バスのような補助はない。

 少しでも安心して乗車してもらおうと、県内の運行各社は感染予防への取り組みを強化し、アピールに力を入れる。関越交通(渋川市)は、乗車定員を半減させ、1人が2座席以上を使えるように運用。運行のたびにウイルス不活性化に効果があるとされる「オゾン発生器」を車内で稼働させ、こうした対策をホームページで周知する。

 日本中央バス(前橋市)は、乗務員の体調管理の徹底に加え、サービスエリアでの休憩時にドアを開け放って換気するなどの対策を実施。担当者は「定員30人のバスに1人しか乗っていないこともある。快適に過ごせるので、不要不急でない移動の際に使ってもらえると大変ありがたい」とする。

 国交省が所管する自動車技術総合機構(東京都)は、高速バスと同様の換気構造を持つ大型貸し切りバスについて、窓を閉めてエアコンを外気導入モードで使用した場合、5分間で車内の空気が入れ替わるとする実験結果を発表。「優れた換気性能を確認した。安心して利用してほしい」としている。

 群馬運輸支局は「慶弔事や出張で都市間の移動が必要な場合、今は非常にすいていて人と接触する機会が少ない高速バスの利用を検討してほしい」と呼び掛けている。

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