前橋・路線バス6社 中心部で共同運営へ 特例法 7月にも申請
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 前橋市内でバス事業を運営する6社が運行路線などを調整し効率化する共同経営を目指し、7月にも国に申請する方針であることが分かった。新年度の後半には市中心部を走る路線バスを等間隔で運行するようダイヤを調整し、乗客の利便性を高める。独占禁止法の適用を除外する特例法が施行され、業者間での調整が可能となった。実現すれば群馬県内では初。コロナ禍で公共交通機関の経営は悪化しており、複数のバス会社による共同経営の検討は県内外で加速しそうだ。

◎15分の等間隔運行で利便性向上目指す
 特例法は、乗客減で苦しむバス会社の存続に向け、昨年11月に施行、解禁された。ダイヤ編成などの調整はカルテルに当たり独禁法で禁止されているが、国の認可を受ければ可能となった。

 前橋市では、市交通政策課が調整役となり、昨年2月に協議を開始。関越交通(渋川市)、群馬中央バス(前橋市)、日本中央バス(同)、永井運輸(同)、群馬バス(高崎市)、上信電鉄(同)の6社が参加した同年12月のワーキンググループで等間隔運行を行うことで合意した。

 対象となるのは、JR前橋駅から市役所、群馬県庁前を経由する「本町ライン」(6社11路線)。平日150本前後と本数が多く、時間によっては4台が同時に発車するなど非効率的な運行が目立っているが、午前10時から午後4時までは等間隔となるよう調整する。同課によると、最大でも15分間隔とする方向で、5分間隔となる時間帯もある。平日20分、土日35分の現状の最大待ち時間が改善される見込み。

 JR前橋駅の乗り場の配置の見直しも検討する。利便性を損なうため減便は行わない。収支の改善見込みを盛り込んだ共同経営計画をまとめ、7月にも国土交通大臣へ申請する。

 同課によると、自主路線、委託路線を合わせた市内のバス利用者は年間約220万人で、ここ数年では横ばいの状態。ただ昨年春以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用者の減少が指摘されている。

 関越交通の阿部正治常務は「街中では少し待てばバスに乗れるようになる。利便性を向上させ、利用者の増加につなげたい」と期待する。市担当者は「中心部に整備されている新たな施設の魅力と等間隔運行を組み合わせて、利用促進を図りたい」としている。

 全国では、同一地域でバス事業を運営する熊本市の5社、岡山市の2社が共同経営の4月開始を目指し、それぞれ近く国に認可申請する方針。実現すれば全国初のケースとなる。広島市でも、広島電鉄が他事業者との共同経営に向けた検討を始めている。

 《独占禁止法除外の特例法》 人口減少などでサービス維持が困難なバス会社や地方銀行が、合併や共同経営に関わる独禁法を適用しないようにする法律。昨年11月に施行され、10年以内の時限措置。不当な値上げなどのサービス低下が起きないことが条件で、事業者の計画を所管省庁が審査し公正取引委員会と協議して認可する。バス事業では、複数の会社で収入を分け合う「運賃プール」も認められた。

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