飲食関連業者にも支援金 補正予算案内示 飲食店 時短要請延長
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 新型コロナウイルス感染症対策で、群馬県の山本一太知事は4日、県指針に基づく警戒度4を維持し、9市町の酒類を提供する飲食店などに8日まで要請中の営業時間短縮の期間を22日まで延長すると発表した。影響を受けている飲食店関連事業者への最大40万円の支援金創設などを柱とする本年度一般会計補正予算案も内示。今回の延長期間を要請解除に向けた「勝負の2週間」とし、感染の抑え込みに強い決意を示した。

◎卸売業やおしぼりリース業、タクシー・代行業など6300事業者を想定
 支援金の対象は県内に事業所があって9市町の飲食店などと取引があり、1月か2月の売り上げが前年比で一定割合減少した事業者。上限は個人事業者が20万円、法人が40万円を予定している。減少割合など詳細は今後詰める。

 対象業種は食材や酒類の卸売業、おしぼりリース業、運転代行業、タクシー事業者などを想定。最大6300事業者を見込んでおり、3月ごろの申請受け付け開始を目指す。

 時短営業に協力した飲食店などに協力金が支払われる一方、関連事業者への助成は乏しく、支援を求める声が上がっていた。国の制度は緊急事態宣言が出ている地域が対象のため独自に創設した。県によると、宮崎、高知両県も同様の支援制度を発表している。

 時短営業の要請対象は変わらず前橋、高崎、桐生、伊勢崎、太田、館林、みどり、大泉、邑楽9市町の接待を伴う飲食店と酒類を提供する飲食店、カラオケ店。午後8時~午前5時の営業自粛(酒類の提供は午後7時まで)を求める。1店舗当たり56万円の協力金も継続する。
 ただ、山本知事は4日の会見で、仮に2週間後に再び要請期間を延長する場合、厳しい財政事情を背景に協力金額を「下げざるを得ない」と強調。時短要請に応じない店舗に対する直接訪問のほか、高齢者施設や外国人コミュニティーへの個別指導などを強化し、「2週間後、できるだけ多くの地域で要請を解除したい」と決意を示した。

 不要不急の外出自粛要請や飲食業支援の「Go To イート」の一部制限も22日まで延長する。部活動のクラスター(感染者集団)発生を受け、競技別に感染防止策をまとめた事例集も配布する。

 補正予算案は飲食店関連事業者支援金の事業費約20億円を含む107億2200万円を増額し、総額8931億3500万円とする内容。5日の県議会臨時会に提出する。

 独自の緊急事態宣言を出している大泉町は4日、期間をさらに2週間延ばし、22日までとすることを決めた。公共施設の休館も延長される。

◎「一過性では持たない」 時短要請延長で関連業者支援 歓迎と不安感交錯
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、群馬県が9市町の酒類を提供する飲食店などへの時短営業の要請を2週間延長すると発表した4日、対象となる飲食店の関係者は長引く影響への焦燥感をにじませた。こうした店に物品を納入するなど関連事業者には県が新たに支援金を支給するとの方針が示され、業者からは歓迎の声が聞かれた。ただ、既に経営への打撃は大きく、「一過性の支援では持たない」と悲痛な声もある。

 「売り上げの多くを占める生ビールの配送が激減している」。前橋市の酒類卸売業の男性は、ため息をつく。午後8時までとする時短要請は、仕事帰りの飲食客の需要を削り、地元の居酒屋などに納入する同店の経営を圧迫する。

 1月の売り上げは前年に比べて7割以上減った。男性は「1日当たりの納入は例年の10分の1。同業者も『もう経営が回らない』という話になっている」と語る。新たに支給される最大40万円の支援金については「コロナ収束が見えない中で、一時的な支援で終わってしまうのではないかと不安」とこぼした。

 飲食店など約700店におしぼりをレンタルする同市の業者は、1月のおしぼりの出荷が例年の半数程度に落ち込み、会社全体の売り上げは4割減少したという。社長は支援金について「大変ありがたいが、最大40万円ではわずかな助けにしかならない」。その上で「コロナの影響が長引くほど事業継続が厳しくなる。もっと早くから支給してほしかった」と訴えた。

 酔客の減少は運転代行業者にも打撃だ。運転代行振興機構群馬(同市)の坂本則夫代表理事によると、1月の売り上げが例年の10分の1以下となる業者もあり、従業員に休んでもらうケースも少なくない。「業界として県に支援を要望していたので、幅広く支援が行き渡るよう取り組んでくれたことに感謝している」と話した。

 時短要請の延長により、飲食店には引き続き我慢が強いられる。桐生市のスナックの女性代表は「街を出歩いて飲む習慣が失われつつあることが心配。営業時間を元に戻せる日が来たとして、果たして客足は戻るのだろうか…」と不安を口にする。

 伊勢崎市内の居酒屋の男性店長も「夜のお客さんは1~2組の状況が続いている。今後も要請には従うつもりだが、経営はぎりぎりで先行きが見通せない」と嘆いた。

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