群馬県内公示地価9年ぶり下落率拡大 コロナ影響で観光、商業地マイナス目立つ
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 国土交通省は23日、土地取引の指標となる公示地価(1月1日時点)を公表した。新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感から、群馬県内は全用途の平均変動率が前年のマイナス0.4%からマイナス1.0%に落ち込み、9年ぶりに下落率が拡大した。下落は29年連続。高崎市のJR高崎駅周辺など都市部の住宅地で変動率がプラスを維持したが、温泉地など観光地や、店舗の多い商業地でマイナスが目立った。専門家は「用途別、エリア別で新型コロナの影響に強弱が出ている」と指摘している。

 県内の全用途の平均変動率は2012年のマイナス4.6%から下落幅が縮小傾向にあったが、拡大に転じた。変動率がプラスの地点は、住宅地23(前年45)、商業地8(29)、工業地がゼロ(10)の計31(84)と大幅に減少。マイナスの地点は計316(231)に増加した。

 商業地で下落率が最大だったのは、温泉地のみなかみ町湯原で4.3%(3.0%)。前年は横ばいだった前橋市千代田町が3.3%と116地点の中で下落率6位に入るなど、観光地や市街地での下落が目立った。一方、JR高崎駅周辺の商業地は7地点がプラスを維持した。

 住宅地も高崎市岩押町が4.4%で上昇率1位となるなど、同駅周辺で上昇。前橋市南町や伊勢崎市田部井町、太田市飯田町なども上昇した。都市部での住宅需要には底堅さもみられたが、中山間地の下落傾向は続いた。工業地については企業の進出意欲が高く、全11地点のうち10地点が横ばいだった。

 地点別で最も高かったのは、商業地が26年連続で高崎市八島町の50万円(前年比3.1%増)、住宅地が5年連続で同市真町の15万円(3.4%増)でともに高崎駅西口だった。

 平均変動率は、用途別では住宅地がマイナス1.0%(前年マイナス0.6%)、商業地がマイナス1.1%(マイナス0.1%)、工業地がマイナス0.1%(プラス0.8%)だった。市町村別では住宅地、商業地ともにプラスの地点がなくなり、住宅地で吉岡町が、商業地で高崎市が唯一横ばいだった。

 調査を担当した不動産鑑定士協会の福田清隆代表幹事は「商業地でも事務所系には影響が少なく、工業地は大半が横ばいで踏みとどまるなどコロナの影響にも差が出ている」と指摘。新型コロナの影響は都市部で強く出たが、「山間部は過疎化などで下落傾向が続いており、二極化の流れは続くだろう」と見通した。

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