《新型コロナ》まん延防止の適用協議 詳細詰め週内に判断
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 新型コロナウイルス感染拡大を受け、群馬県は11日、緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」の適用要請に向けて政府との協議に入った。県と前橋、高崎両市は同日、新たに74人の陽性が確認されたと発表。同日夜時点で専用病床の稼働率は62.5%となり、重症者用74床は過去最多の17床を使用している。医療提供体制が厳しさを増す状況を踏まえ、政府と重点措置の対象地域など詳細を詰め、週内に判断する。

 山本一太知事が同日夜、西村康稔経済再生担当相と電話会談し、まん延防止等重点措置を念頭に「新たな対応が必要」との考えを伝えた。山本知事は記者団に「どういう形でやるのかなど細かい詰めが必要。状況を見ながら、政府との話し合いの中で決めていきたい」と述べた。

 西村氏との会談に先立って開いた感染症の専門家らとの会議でも、重点措置などの必要性を指摘する意見があったという。
 重点措置は市町村単位などに範囲を絞ることができるのが特徴。事業者が営業時間短縮要請などに正当な理由なく応じない場合、知事は命令を出すことができ、従わなければ20万円以下の過料を科せる。

 一方、11日に発表された新規陽性者は10歳未満~80代の男女74人。入院していた県内の80、90代の男性2人が死亡した。県内での感染確認は、再陽性も含め累計6842人(うち109人死亡)となった。県全体の病床は11日に10床増え432床となったが、稼働率は高い水準が続いている。

 このほか、伊勢崎市の工場の社員寮で同日までに寮に住む従業員13人の陽性が判明。県はクラスター(感染者集団)が発生したと判断した。

 既に確認されているクラスターでは利根沼田保健所管内(沼田市、利根郡)の中学校関連で、新たに職員ら2人の陽性が判明、陽性判明は計21人となった。前橋市の県立心臓血管センター関連で、新たに患者2人が陽性で計14人となった。

 伊勢崎市の有料老人ホーム関連で、新たに入居者1人が陽性で計11人。利根沼田保健所管内の障害福祉サービス事業所関連で、新たに利用者5人が陽性、計10人となった。
(まとめ 西山健太郎)

◎変異株検出率44% 9日まで1週間 群馬県内

 新型コロナウイルス感染症の陽性者を抽出し、スクリーニング検査を実施したところ、9日までの7日間では対象者の44.0%からN501Y変異株が検出されたことが11日、県の集計で分かった。検出率は1カ月余りで4.7倍となり、最近では高齢者からの検出も目立ち始めた。従来株より感染力が強いとされる上、重症化リスクが高いとの指摘もある。本県でも東京都のように主流となりつつあり、県は警戒を強めている。

 国内のN501Yは3月に関西を中心に広がり、東北を除き全国で拡大傾向が顕著になっている。県内では3月下旬以降の陽性者から、検出が相次いでいる。

 県感染症危機管理室によると、N501Yの検出率は、4月4日までの7日間では9.4%だった。同月中旬以降はおおむね30%台を推移し、今月9日までの7日間は44.0%まで上昇している。

 感染症に詳しい県医師会の川島崇副会長は「うつりやすい株が主流となっていく。今後、県内でもさらに(従来株との)置き換わりが進むだろう」と見通す。気の緩みが感染状況に一層影響する局面だと指摘する。

 県は11日、10歳未満~80代の男女26人からN501Yが新たに検出されたと発表、感染確認は計240人となった。これまでの検出例を年代別で見ると、20、30代が約50%と目立ち、40、50代も約25%と、活発に行動する世代が大半を占めている。

 ただ、4月に6%だった60代以上も、5月に入ると31%に急伸している。高齢者への広がりも踏まえ、県感染症危機管理室は「対策は従来と同じだが、より一層、基本的な対策を、特に換気をしっかり行ってほしい」と呼び掛けている。

 新型コロナ陽性者に占めるスクリーニング検査の実施率は現在30%台。県は早急に50%まで引き上げる方針を示している。
(山田祐二)

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