群馬県内四大温泉地を再生へ 観光庁が拠点支援事業に採択
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 観光庁は8日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境にある観光拠点を支援する「既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業」に、群馬県の四大温泉地の事業を採択した。渋川市は伊香保温泉、中之条町は四万温泉で、少人数の旅行者向けに施設改修をそれぞれ計画。草津温泉観光協会(草津町)は温泉街散策の促進を図り、みなかみ町は水上温泉で観光資源のリノベーションを予定している。

 観光地全体で取り組む事業を短期集中で支援して収益力や魅力向上につなげる事業で、国が1地域当たり最大3~5億円を補助する。本県を含む全国102地域の自治体・団体が申請した事業を採択した。事業の完了はいずれも来年2月末。

 渋川伊香保温泉観光協会によると、伊香保の宿泊客は団体が中心だったが、コロナ下で少人数に転換。そのため「客室で露天風呂を楽しみたい」といったニーズが増えているという。

 市の計画では、16の旅館・ホテルが宴会場の個室化や客室のスイートルーム化といった、少人数客向けに付加価値を高める施設改修を予定。また、昨秋の火災で全焼して焼け跡がそのままになっている旅館や周辺の建物を撤去する。2023年の観光消費額をコロナ前の18年比で115%の151億6千万円に伸ばす。

 四万温泉では、余暇を楽しみながら働く「ワーケーション」需要を取り込む施設改修を計画。コロナ後を見据え、バス事業者と連携し、奥四万湖を目的地とした温泉内周遊バスの実証運行も予定する。

 草津温泉観光協会は、AR(拡張現実)を活用して温泉街を散策するスタンプラリーのような新コンテンツの実証実験などを予定。土産物店ではイートインスペースを新設する。

 水上温泉は、JR水上駅や道の駅「水紀行館」などの拠点間移動の支援に電動式車両を導入するとしている。

 いずれの温泉地も支援事業を「にぎわいを取り戻すきっかけに」と期待を寄せる。渋川市の高木勉市長は「ピンチをチャンスに変えて再生を図る」と意欲をみせる。四万温泉協会の宮崎博行事務局長は「ニューノーマルに対応した高付加価値の観光地にしたい」と述べた。草津温泉観光協会は「さらに楽しめる温泉街を町全体でつくり上げたい」、みなかみ町は「地元住民と協力し、町内観光の起爆剤となることを期待している」とコメントした。
(まとめ 奥木秀幸)

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