ビーガン向けに群馬県産食材 食の多様性の「先進地」に ジェトロが展開
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昭和村の農場を視察する海外のビーガンシェフら=2019年10月(ジェトロ群馬提供)

 「県産食材を海外に売り込む上での強みは何か」。2018年秋、日本貿易振興機構(ジェトロ)群馬貿易情報センターの柴原友範所長(46)は仮説を立てた。本県はコンニャクイモやキャベツ、キュウリ、エダマメなどが全国トップクラスの生産量を誇り、しょうゆやみそなど発酵食品も豊富。卵や乳製品を含め、動物由来の食品を口にしないビーガン(完全菜食主義者)との親和性が高いのではないかと考えた。

インバウンド

 環境意識や健康志向の高まりなどでビーガンは世界的に増えており、米国のビーガン人口は2千万人に迫るとされる。ビーガン向け食材は高付加価値の「稼げる」輸出品として有望で、既にこんにゃくなどの食材が実績を上げており、コロナ後のインバウンド(訪日外国人客)誘致につなげる上でも重要性が増している。

 ジェトロ群馬は「グンマ・ヴィーガン・プロジェクト」と銘打ち、さまざまな事業を展開。海外のビーガンシェフを招いて県産食材を紹介したほか、県内事業者向けにビーガン・インバウンドを取り込むためのセミナーを開いた。米国とオランダではPRイベントも実施。海外のビーガンシェフが県産のこんにゃくやみそを使って考案したレシピを冊子にまとめ、県内の飲食店や宿泊施設に配布して活用を呼び掛けた。

サミット開催

 群馬県在住のビーガンは、プロジェクトをどう見るか。英国人のチャーリー・マクリーン・アッシュさん(25)=桐生市=は「地元食材とビーガニズムの組み合わせは賢い」と好意的だ。「ビーガンは新食材を求めて旅行することも多い。ビーガン対応が進めば海外での認知度が上がり、観光面でもプラスになる。群馬の人々が寛容であることも示せる」と語った。

 フランス人のアンヌ・ソフィー・ロワイエさん(42)=前橋市=は「日本のビーガン対応の遅れは大都市以外への訪問をためらう理由になっている」と指摘。「プロジェクト成功には、ビーガン食材の飛躍的な普及と信頼できる表示が不可欠。群馬が地方の先駆者となって課題解決してほしい」と訴えた。

 今後、県内飲食店には、ビーガンに人気の飲食店検索サイト「ハッピーカウ」への登録を促すほか、世界中のビーカン関係者を招いた「ヴィーガン・ビジネス・サミット」の開催を目指す。ジェトロ群馬は「食の多様性はイノベーションの素地になる。日本を代表するビーガン対応の先進地として認知されるようになりたい」としている。

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