あす「土用の丑」 ウナギ商戦が猛暑と共に熱帯びる 巣ごもりや滋養で勢い加速期待
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ウナギの特設コーナーを作ったフレッセイ有馬店=渋川市有馬

 28日の「土用の丑(うし)の日」を前に、群馬県内の小売店やウナギ料理店で商戦が熱を帯びている。価格は例年並みの店が多いが、スーパーや加工業者は「巣ごもり需要」を捉えて予約や販売が好調。外出自粛の影響で客足の鈍っている飲食店でも連日の猛暑で「滋養を付けたい」とする客が動きだしており、関係者は「このまま勢いが加速すれば」と期待した。

 「百貨店の通販向けが多くなっている」とするのは、ウナギのかば焼きを製造販売をする王鉄興業(太田市)。飲食店向けの売り上げの落ち込みを受け、新たに開拓した百貨店向けの注文が伸びている。担当者は「巣ごもり需要が後押ししてくれている」と喜ぶ。

 東海地方の国産ウナギを扱っており、本社店舗では100グラム1400円と昨年と同じ価格で販売する。担当者は「こだわって作ったかば焼きをぜひ食べてほしい」とした。

 スーパーのベイシア(前橋市)は宮崎産のかば焼き1尾(140グラム)を昨年と同額の1922円で販売。事前予約すると専用アプリで100ポイントを付与するキャンペーンを初めて実施し、好調だった。「巣ごもりの影響でウナギは通年で売れるようになってきたが、やはりピークは土用の丑の日。しっかりと需要に応えたい」と力を込める。

 「予約が好調。昨年より1割の販売増を目指したい」とするのはスーパーのフレッセイ(同市)。ニホンウナギの稚魚、シラスウナギの取引価格は2年続けて下がったが、メーカーの生産が追い付かず、仕入れ価格は上昇傾向にあるという。小売価格は据え置き、特設コーナーを作り販売に力を入れる。

 新型コロナウイルスの影響が直撃する飲食店では、消費者の購買行動も変化している。ウナギ料理店「ひしまた」(太田市)では持ち帰りが伸び、売り上げの3~4割を占めるようになった。昨年まで一本調子で上がっていたウナギの価格も下がり、うな丼(1750円)は昨年より200円程度引き下げて販売している。「暑くなってお客さんも増えてきた。ウナギで精を付けて夏を乗り切って」と呼び掛けた。

 水産庁によると、2021年の漁期はシラスウナギの国内採捕が11.3トンと記録的不漁だった19年(3.7トン)から持ち直した。稚魚の取引価格は20年の漁期に比べ8.3%低下し、1キロ当たり132万円だった。

 18年に養鰻業に参入したファームランド(前橋市)は、2年連続でシラスウナギの価格が下がったことから、ウナギの販売価格も1割ほど下がっていると指摘する。それでも、巣ごもり需要で高級感のあるウナギの需要が高まっており、「小売価格には反映されにくくなっているのでは」と推測した。(宮村恵介)

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