菅首相が退陣へ 就任1年、総裁選に出馬せず
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首相官邸で自民党総裁選に立候補しない考えを表明した菅首相=3日

 菅義偉首相(72)は3日、退陣する意向を表明した。自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補せず、再選を断念する考えを党臨時役員会で示した。新型コロナウイルス感染対策や総裁選前の異例の党役員人事への批判が噴出し、次期衆院選を前に求心力を急速に失った。菅政権は就任から約1年で幕引きとなる。後任を決める総裁選に出馬意欲を示す議員が相次いだ。衆院選は総裁選後、新首相の下で10月末以降に実施される流れとなった。

 首相は臨時役員会で総裁選に立候補せず、6日に予定していた党役員人事も実施しないと述べた。その後、官邸で記者団に「首相となって1年、コロナ対策を中心とする課題に全力で取り組んできた。コロナ対策と総裁選の選挙活動には莫大(ばくだい)なエネルギーが必要であり、両立できない。コロナ感染防止に専念したいと判断した」と語った。9月末の総裁任期まで務め、新首相選出と同時に退任する。

 二階俊博幹事長は党本部で「考えに考えた末の決断だと思う。総裁の考えをみんなで受け入れ、今後の党運営に対処したい」と述べた。官邸筋は「6日に予定していた党役員人事に行き詰まっていた」と指摘した。

 総裁選は予定通り実施される。既に岸田文雄前政調会長が出馬を表明し、高市早苗前総務相も意欲を示す。河野太郎行政改革担当相は立候補する意向を周囲に伝えた。石破茂元幹事長や下村博文政調会長、野田聖子幹事長代行の動向も注目される。

 首相は、官房長官として約7年半支えた安倍晋三前首相が持病悪化で辞任表明した後の総裁選で勝利し、昨年9月16日、第99代首相に就任した。安倍政権の経済、外交政策を継承。コロナ対策を最優先課題とし、行政の縦割りや既得権益、あしき前例主義を打ち破る「国民のために働く内閣」を掲げた。

◎群馬県選出国会議員さまざまな声
 総裁選に出馬する意思を周囲に伝えていた菅義偉首相が一転、退陣する意向を示した3日、本県関係の国会議員からは驚きとともに、ねぎらいや憤りなど、さまざまな声が上がった。

 自民党県連会長の小渕優子衆院議員は「国難とも言うべきコロナ禍において、先頭に立って日本を引っ張っていくことは大変な苦労と心痛があったと思う」と首相の心情を気遣った。今後については「国民が不安を抱えている今、政治空白をつくることがないよう、自民党として引き続き責任を果たしていきたい」と話した。

 同党の中曽根弘文参院議員もコロナ対策をはじめとした課題が山積しているとして、「新総裁の下で党、内閣ともに一新し、一致結束して国民の信頼を得られる政治を果断に実行しなくてはならない」と述べた。

 派閥にとらわれない総裁選を求めていた同党の福田達夫衆院議員は「現状の国民、国家にとって適切な判断だったと思う」と指摘。その上で、脱炭素化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進した実績に触れ、「国家目線の大きな判断を多くされた総理であり、後世に評価されるのではないか」とした。

 一方、立憲民主党県連会長の長谷川嘉一衆院議員は「安倍政権と同様に突然の退陣だ。自分たちの政権運営の評価を受けぬまま、投げ出して終わりなのか」と批判。「経済対策やコロナ対策、東京五輪の強行など、この1年で評価できることはない」と述べた。
(まとめ 関口健太郎)

◎山本知事「驚くと同時に残念」 出馬なら河野氏支持
 菅義偉首相が退陣する意向を表明したことを受け、山本一太知事は3日、県庁内で「大変驚くと同時に残念だ。考え抜いての決断と思うので仕方ない」と記者団に述べた。

 菅政権について「新型コロナウイルスという誰も経験したことがない大変な事態の中、ワクチン接種率向上やデジタル庁の創設などにリーダーシップを発揮した」と評価。来週に官邸を訪問する意向も示した。

 山本知事は菅首相を「政界の兄貴」と呼ぶなど自民党参院議員時代からの深い関係性を強調し、たびたび官邸を訪れてコロナ対策などを直接要望してきた。現在は党員ではないが、今回の総裁選での支持も表明していた。今後の総裁選については同じく交流が深く「30年来の盟友」とする河野太郎行政改革担当相が出馬した場合、支持する考えを示した。

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